高校生の長男の進路を検討していてつくづく思うのが、大学の学費って高い!高すぎ!
しかもわが家のような田舎から大学に行かせるには下宿代も考える必要があるので、本当にもう泣きそうなくらいお金がかかります。
無料で行ける夢のような大学はないだろうか…と半ば現実逃避の感覚でネット検索していると、なんと、ありました!
しかも下宿代もかからない!
いや、でもこれは「大学」と名がついているだけで実は正式な大学ではないのかも…(YouTube大学的な)とよーく確認してみましたが、どうやら学位(大卒資格)が取れる本当の大学のようなんです。
アメリカのオンライン大学 University of the people(ピープル大学)とは
わたしが見つけたのは、Enlish Pediaのこちらの記事で紹介されていたUniversity of the people(ピープル大学、通称UoPeople)です。
世界初となる「授業料無料」のアメリカのオンライン大学。
授業はすべてオンラインだから学校に行く必要はありません。
学部は4つ。
4年で取得する「学士」のほか、2年間の「準学士」や「修士」もあります。
- 経営管理(準学士・学士・修士)
- コンピューターサイエンス(準学士・学士)
- 健康科学(準学士・学士)
- 教育(修士)
本当に完全無料で行けるの?
ただし完全無料かというとそうではなくて、50万円ほどかかります。
4年間で50万円です。
これは授業料ではなく試験料で、1コース100ドル。(※2020年11月以降は120ドル)
あと入学手数料として60ドル。
これらを合計して学士号を取得するまでに4年間で総額4060ドル(約43万円)です。
※2020年11月以降は4,860ドル(約51万円)
教科書代などは一切かからないそうです。
通常の日本の私立大学は文系でも4年間で400万円程度。
下宿代もあわせると、4年間で800万円ほどかかります。
しかも一括で支払う必要はなくて、1つのコースが終わるまでにそのコース分の試験料を支払えばよい仕組みです。
この金額も厳しい学生については、奨学金制度も用意されています。
どうして授業料が無料なの?
こちらの大学、そもそもが貧困層や難民の人たちでも高等教育を受けられるようにという思いから設立されたのだそうです。
▼設立者シャイ・レシェフさんのTEDスピーチです。
※画面右下の吹き出しマークをクリックし、「Japanese」(下の方にあります)を選ぶと日本語字幕が表示されます。
その思いに賛同した企業や大学から支援を受けていることが、授業料を無料にできる理由の1つ。
たとえばマイクロソフトやフェイスブック、グーグル、ツイッター、ヒューレットパッカードなどの企業。
大学はニューヨーク大学、カリフォルニア大学バークレー校、エディンバラ大学。
国際バカロレア機構とも提携しています。
また、3000人以上の講師がボランティアで働いています。
実際にUniversity of the peopleの学生であるサクライパンダさんによると、教材の質はとても良いそうです。
それから、教授や講師がすべてのレポートに目を通して評価するのではなく、学生同士がレポートを評価し合う仕組みを導入していることも、コストカットできる大きな理由です。
授業はどうやって進むの? 英語ペラペラでないとついて行けない?
オンライン大学と言っても、WEB会議システムで顔を見ながらオンライン授業…というスタイルではありません。
授業動画などもありません。
すべて文章のやりとりになります。
これは、オンラインの環境が十分に整っていない生徒でも参加できるように、あえてそうしているようです。
教材や課題があって、自分で調べたり質問したり生徒同士で議論したりしながら進めていきます。
1コース(2ヵ月)が終わるごとに試験を受けて合格すれば次のコースへという流れです。
なので英語力については「話す」「聞く」は苦手でもなんとかなりそうですが、「読む」「書く」能力は絶対に必要です。
どうすれば入学できる?入試や受験資格
University of the peopleには入学試験はありません。
入学金(60ドル)を納付して、入学資格を満たしていることを証明する書類を提出すれば誰でも入学できます。
入学資格は次のとおり。
- 高卒資格があること
- ある程度の英語力があること
コンピューターサイエンス学部については、高卒程度の数学能力の証明と、数学やコンピューター関連の実務経験の証明も必要です。
英語力の証明方法
英語力の証明方法は2通りあります。
①TOEFLなどのスコアの証明書を送る
以下のテストの証明書を送ればOKです。それぞれ定められた基準を満たしている必要があります。
- TOEFL(PBT) 500点
- TOEFL(iBT) 61点
- IELTS(academic) 6.0点
- PTE(academic) 44点
- 英検 準1級
- Duolingo English Test 50点
②英語コースを受けて73%以上のスコアをとる
①の証明ができない場合は、University of the peopleの正規コースに入る前に英語コース(2ヵ月)を受講して、試験で73%以上のスコアを取れば正規コースに進めます。
卒業するのは難しそうだけど…
海外の大学は、入学するのは簡単だけど卒業するのが難しいというイメージがありますよね。
University of the peopleもやはり、卒業に必要な単位を取得するのは大変そうです。
大学側は1コースにつき週15~20時間確保することを推奨しているそうです。
1つの期間に同時に取れるのは3コースまでなので、
3コースなら週45~60時間(1日6~9時間)
2コースなら週30~40時間(1日4~6時間)
英語の読み書きに慣れていない場合はもっとかかるでしょう。
University of the peopleは働きながら学んでいる人が多いようですが、仕事との両立は本当に大変でしょうね。
でも、純粋に大学生として勉強だけに時間を費やせるのであれば、不可能ではない気もします。
デメリットはキャンパスライフが無いこと?
オンライン大学なので、いわゆるキャンパスライフがないことはデメリットとも言えるのかもしれませんが、高い学費を支払いながらバイトに明け暮れてほとんど勉強しない大学生活を送る(かつて私がそうだった…!)よりも、安い費用でしっかり勉強できるUniversity of the peopleの方が、ずっと価値があるのではないかな…と、わたしは思います。
息子にUniversity of the peopleのことを話しても、あまり興味を示しませんでした。
学費や下宿代がかからない分、短期の語学留学に参加したり、趣味や好きなことにお金をかけて楽しむこともできると思うのですが、わたしが言っても響かないようです。
というか、親が勧める進路はとりあえず拒否したいという強い意思さえ感じるので、本心ではめちゃくちゃ強く勧めたいのですが、もうあまり言わないでおきます。
河野玄斗さんとかDaigoさんあたりがYoutubeで勧めていたら興味をもつかもしれません。
勧めてくれるといいんだけどなぁ。。。
▼University of the peopleについてもっと詳しく知りたい方は、サクライパンダさんの動画がとても参考になりますよ。