Eテレで2019年11月2日放送の「ウワサの保護者会」
テーマは「発達障害かも…どうすれば?(アンコール放送)」
※再放送は11月9日(土)午後0時30分~
自分の子どもが発達障害かも・・・と疑ったことがある保護者は約3割もいるそうです。
発達障害を疑っているけと医療機関には行っていない、診断されて「黒」と判定されるのが怖いから行けないというお母さんたち。
子供の発達障害を受け入れているお母さんたち。
番組のスタジオにはそれぞれのお母さんがいて、正直な気持ちをお話されていました。
わたしも以前、息子がADHDかも・・・と疑ったことがあり、そのときのことをこちらの記事に書きました。
番組の結論としては「白か黒が判定することが大切なのではない。その子の”困り”に寄り添うことが大切」という流れで、あ!わたしが感じてたことと同じだ!と少し嬉しくなりました。
発達障害を疑っているのに医療機関に行かないのはなぜ?
子どもの発達障害(学習障害)を疑っている、でも医療機関には行っていないという保護者の方が正直な気持ちを語っていました。
- ネットで調べると特徴がほとんど当てはまる
- でも成長とともにできるようになるのではないかという期待
- 診断を受けて、子供が脳の機能の問題だから仕方ないと諦めてしまうと嫌
- まず努力してほしい
- 失敗から学んでほしい
- 自分が格好悪いから病院に行けないのではないかという気がする
- 親や親戚にも相談できない
- 診断されたらショックで受け止められない
- どうすれば子供を救えるのかわからない
発達障害を疑っているなら病院へ行くべきでは?
何が原因かわからないと前へ進めないし、子ども自身も困った状態が続いてつらいのでは?
なんで医療機関へ行かないの?・・・と、この保護者の方たちを責めたくなる気持ちが一瞬湧いてきました。
でも、専門家から見ても、子どもが発達障害であることを受け入れるのは親にとってすごく難しいことなのだそうです。
(杉並区の児童発達支援施設OKプラネット 臨床心理士の林田道子さん)
子供の状態が良くなると「やはり発達障害ではなかった」、悪くなると「やはりそうなのかもしれない」
このアップダウンで消耗してしまうのだそうです。
尾木ママは「発達障害という言葉がとても良くない」と話していました。
「障害」という言葉には重みがあります。
障害をかかえて生きていかなければならないのか、この子の将来は大丈夫だろうか・・・という恐怖があり、親にとって大きなショックがあるのも納得です。
発達障害なのか白黒はっきりさせるよりも「困っていること」をどう助けられるか
臨床心理士の林田さんが言うには、
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。グレーで受け止める。
発達障害かどうかという悩みよりも、「今できることは何か」を考えるとよい。
行動に注目する。子供が困っていることをどうすれば助けられるか。
尾木ママもこうコメントしていました。
- 白か黒かを判定することが問題ではない
- その子の「困り」に寄り添いながら共感して受容していく
- それは発達障害と診断されない子でも全く同じ
それはわたしも同意します!
結局、発達障害と診断されるかどうかなんて実はどうでもよくて、困りごとにどうすれば対処できるのか、少しでもラクになるのか、それが一番大切だと思います。
そのあたりの考えは、こちらの記事でも書きました。
発達障害で医療機関に行ったらどうなるの?
医療機関に行くのは、発達障害かどうか白黒はっきりさせるためではなくて、どっちかわからないけどとりあえず「困りごとへの対処法を知りたい」というスタンスでOKなんです。
専門機関では、子供の特性にあった対応の仕方をアドバイスしてくれます。
子どもの発達障害を受け入れたお母さんからは、こんな意見が出ていました。
- 診断を受けて、困ったときの対応法がわかるようになった
- 教えられたことを実践すると、毎日泣いていた子どもが明るくなってきた
- 診断を受けて良かった
- 親が困っているのではなく子供が一番困っている。そのように考え方を変えた
「自閉傾向があると言われただけで、はっきり診断を受けていない」というお母さんからはこんなお話しがありました。
- 放っておいても良くならないから結局やらないといけない
- 発達障害だと言われたものだと考えて対応していこうと思った
- 困ったことがあるとひとりで病院に通い、どう対応すればいいか教えてもらった
- 学校の先生にも伝え、こうしてほしいと要望した
- 接し方を工夫することで、子供は落ち着いてきた
どっちかわからないけど、とりあえず困りごとを対処するために動いたということですね。
子どもと一緒ではなく、親だけで相談に通ったそうです。
この方のお子さんは、このように受け止めているそうです。
- 子供自身は自分が困っている理由がわかって良かったと言っている
- 自分の努力不足ではないとわかった
- できないこともあるけど、できることもたくさんあると前向きになった
どっちかわからないけど現状のまま放っておいても良くならないから対処する。
そうしたら子どもが落ち着いてきた、というのはわたしも経験があるのでとてもよくわかります。
こちらの記事でも詳しく書いたのですが、発達障害の困り感はグラデーション状で、「ここからが発達障害」と明確に決められるものではないそうです。
同じ状態でも医師によって発達障害と診断されたりされなかったりということが起こるのだとか。
だったら、診断されたから対処する。はっきり診断されてないから対処しなくていい。ということにはなりませんよね?
親が対処方法を学び、実践してみて良い方向に向かってると実感できれば、発達障害に対する受容も自然とできていきます。
悩んでいる親が相談できるところは?
発達障害を疑って悩んでいたお母さんから、番組の最後の方でこのような声がありました。
今日、話せたことがすごく大きい
話す環境がまずないから・・・
番組によると、発達障害の診断の有無にかかわらず、子供の特性に具体的にどう対応すればいいかを相談できるところはたくさんあるそうです。
- 学校のスクールカウンセラー
- 親の会
- 自治体の相談窓口
- 医療機関
これって「たくさんある」って言えるのかな…?
学校のスクールカウンセラーは、日ごろ保護者との接点はまったくないと思うので、まず担任の先生に相談してスクールカウンセラーにつないでもらわないといけませんよね。
担任の先生と信頼関係があれば相談しやすいけど、そうでない場合はデリケートな問題だし気軽には相談しづらいような・・・。
親の会っていうのは何なんでしょうね?
発達障害の子どもを持つ親の会というのがあるのでしょうか?
まずその存在を知らないし、相談先としてパッと浮かぶものではありませんよね。
自治体の相談窓口。
これはネットで検索して調べたりすると出てくることがあります。
ただ、「子育て相談」みたいな窓口は、小中学生の子どもではなくて乳幼児の子育てが対象なのかな?と感じるものが多くて、ここに相談していいのかな・・・と躊躇してしまうことが多いです。
医療機関っていうのは、普段かかっている内科や小児科の先生ってことでしょうか?
それだと、小学生くらいになると病院に行く機会もぐんと減ってくるので、子どもの心配事を気軽に相談できる感じでもないんですよね。
発達障害を診てくれる「児童精神科」とかのことを言ってるなら、それこそ発達障害を受け入れられない親が気軽に相談に行けるところではないですし。
小学生や中学生くらいの子どものことで、親が気軽に悩みを相談できるところがもっとたくさんあればいいのに・・・と思います。
自治体の相談窓口の探し方
自分の子どもの行動を見ていて「これって発達障害かも・・・。いや、やっぱりちがうかも・・・。でも困ってる」という場合に気軽に相談できるところがわからないという人は、自治体の「発達ナントカ」という窓口に電話してみるといいかもです。
たとえば
- 発達相談センター
- 発達支援センター
- 発達支援課
- 発達支援室
「発達」がついた名称なので発達障害の診断を受けている子が対象なのかな?と思ってしまいますが、そうではないようです。
わたしも子どもの性格や行動でとても困ったことがあって悩んでいたときに地域の「発達支援センター」電話して相談にのってもらいました。
そこは0歳から中学生くらいまでの子が対象で、子どもの行動とか性格とか、広い意味で「発達」に関する悩みの相談にのってもらえるということでした。
たとえば、「原因はわからないけど不登校で心配している」とか。
診断を出したりするところではなくて、悩みを聞いてもらって「何が原因だろう」「どうしたらいいかな・・・」というのを一緒に考えてもらう感じです。
こうした窓口がない場合は「子育て支援ナントカ」「健康支援ナントカ」「保健福祉ナントカ」。このあたりです。