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親の体罰禁止法はいつから? 体罰の内容の線引きは?

体罰禁止 いつから

改正児童虐待防止法・改正児童福祉法が成立して、親による体罰禁止などが定められました。2020年4月から適用されます。

気になるのが「どこからが体罰になるのか」という線引きの問題。

  • おしりを叩くのもダメ?
  • 大声で怒鳴るのは?
  • 危険なことをしたときに叩くのもダメ?

などなど。

そして体罰をしてしまった親は逮捕されたり罰せられたりするのか・・・という点です。

厚生労働省のガイドラインによって具体的に示されているので紹介します。

親の体罰禁止はいつから?体罰をしてしまったらどうなるの?

「親による体罰禁止」が施行されるのは2020年4月からです。

この法律は「理念法」です。
「体罰は絶対にいけない」という基本理念を確認するだけで、具体的な規制や罰則はありません

ですから、子供がどうしても許せないことをしでかして、パチンとひっぱたいてしまった・・・というような場面で、この法律によって即座に親が逮捕されるとか、そういうことにはならないはずです。

厚生労働省のガイドラインにもこのように記載されています。

保護者を罰したり、追い込むことを意図したものではなく、子育てを社会全体で応援・サポートし、体罰によらない子育てを社会全体で推進することを目的としたもの

罰則がないなら意味がない?

罰則がないので「実効性がない」という批判もありますが、わたしはそうは思いません。

しつけのためなら子供を叩いたり蹴ったりしてもいいと思っている人がまだまだたくさんいる中で、法律で「親がしつけに際して体罰を加えることを禁止する」とはっきり定めておくことは大きな意味があると思います。

子供にひどい暴力をふるっておいて「しつけのため」と言い逃れするのを許さないためにも。

また、こんな法律ができたら必要なときに子供を叱れなくなるではないか!というような意見も目にしますが、わたしはそれもちがうと思います。
「体罰禁止」と定めることで、「しつけのために叱る=体罰」という考えから脱却しましょうというメッセージではないかと思うのです。

具体的にどこから体罰になる?ガイドラインでは・・・

今回の「親による体罰禁止」について、わたしたち親が一番知りたいのは「どこからが体罰になるの?」という点ではないでしょうか。

わたしは「殴る・蹴る」はさすがにしませんが、強く肩をつかむとか、大声で怒鳴りつける・・・といったことはやってしまったことがあります。
これも体罰になるのかな・・・?

この点については、2019年12月に厚生労働省から出たガイドラインで具体的に示されています。
厚生労働省のガイドラインはこちらです。


参考
体罰等によらない子育てのために(素案)厚生労働省 

MEMO

2019.12.6時点では「素案」です。今後、若干の修正があるかもしれません。

ガイドラインにはこのように記載されています。

たとえしつけのためだと親が思っても、身体に何らかの苦痛または不快感を引き起こす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止されます。

つまり、禁止される体罰とはこういうもの。

  • 苦痛や不快感を引き起こす行為
  • 罰である
  • どんなに軽いものでも

ガイドラインでは具体例も示されています。




体罰に該当する例

  • 口で3回注意したけど言うことを聞かないので、頬を叩いた
  • 大切なものにいたずらをしたので、長時間正座をさせた
  • 友達を殴ってケガをさせたので、同じように子どもを殴った
  • 他人のものを盗んだので、罰としてお尻を叩いた
  • 宿題をしなかったので、夕ご飯を与えなかった

「叩く」などの暴力だけでなく、「長時間正座をさせる」「夕ご飯を与えない」も体罰にあたると示しています。

体罰に該当しない例

一方で、体罰に該当しない例も具体的に示しています。

  • 道に飛び出しそうな子どもの手を掴む
  • 他の子どもに暴力を振るうのを制止する

このように、罰を与えることが目的ではなく、子どもを保護するためだったり、第三者へ危害を加えることを止める行為はOKなんですね。

ただ、同じ状況でも、これはNGだと思います。

  • 道に飛び出しそうになったから絶対やってはいけないことをわからせるために頬を叩いた
  • 他の子どもに暴力を振るいそうになったから、二度とやらないように子どもを殴った

これだと罰を与えることが目的になってますからね。

体罰以外の暴言等の子どもの心を傷つける行為

このほか、ガイドラインでは「心理的虐待」や「暴言」などについても触れています。

ネグレクトや、子どもの前で配偶者に暴力を振るったり、著しい暴言や著しく拒絶的な対応をすること(心理的虐待)などについても虐待として禁止されています。

怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言等も、子どもの健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があります。

子どもをけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子どもの心を傷つける行為で子どもの権利を侵害します。

【子どもの心を傷つける行為の例】

  •  冗談のつもりで、「お前なんか生まれてこなければよかった」など、子どもの存在を否定するようなことを言った
  •  やる気を出させるために、きょうだいを引き合いにしてダメ出しや無視をした

今回示されたガイドライン、かなり具体的な例が示されていてわかりやすいと思いました。

このほか、ガイドラインでは

  • なぜ体罰をしてはいけないのか
  • 子どもが言うことをきかないときに体罰を使わずに接する工夫

なども示されていて、とても役立つ内容だと思いました。
これらの内容もまた紹介していきたいと思います。