以前こちらの記事で、どこからが体罰になるのか、体罰をしてはいけない理由、子どもを叩かなくて済む方法などを書きました。
今回は、親自身の考え方や気持ちを楽にする方法について書きます。
体罰禁止法のガイドラインに出ていた方法のほか、わたし自身がこのように考えて子育てが楽になったという方法もお伝えしたいと思います。
体罰禁止法ガイドラインより
まずは体罰禁止法ガイドラインに書かれていた内容からいくつか紹介します。
家事の分担を見直す
育児や家事をすべて自分一人で抱え込んでいると、負担が大きすぎてイライラがたまってしまいますよね。
とはいえ、夫の帰りが毎晩遅くてワンオペ育児だと全部自分でやるしかないのですが・・・。
ワンオペは大変だし心細いし、育児がつらいものになってしまうんですよね。
ガイドラインでは、このように提案しています。
家族で家事を分担したり、自治体やNPO、企業などのさまざまな支援サービス(ファミリーサポート、家事代行サービス、一時預かりなど)の利用も検討しましょう。
子育ての苦労を相談するなど、親自身がSOSを出すことが大切です。
わたしも子どもが赤ちゃんだったころはファミリーサポートに何度もお世話になりました。
お金はかかりますけど、わたしが当時住んでいた地域では自治体の補助が出て、1時間500円で利用できました。
家事代行サービスは、お値段高くて利用しづらいですが、産後であれば確かファミリーサポートでも家事をお願いできたと思いますし、シルバー人材センターでも日常的な掃除などは安くお願いできるかと。
いろいろ頼れそうなところを調べて確保しておくことですかね。
時間の使い方を見直す
1日の時間の使い方も、工夫してみましょう。朝の時間が忙しくてイライラしてしまう場合は、夜に回せるものがないか、パートナーや親子で協力できることはないかなど、相談しましょう。
子どもがなかなか寝てくれなくて苦労している人は多いと思います。
わたしもそうだったのですが、子どもを寝かしつけてから何かをやる…というのをやめて、子どもと一緒に寝る。なんなら自分の方が先に寝る。
そして早起きして用事ややりたいことをするようにしたらとてもラクになりました。
最初のうちは早起きするときに子どもも目を覚まして泣いてしまって「意味ないなー」という状態でしたが、子どももだんだん慣れてきたのか、わたしが早起きしてもそのまま寝ていてくれるようになりました。
クールダウンの方法を見つける
子どもの困った行動にキレてしまうときって、だいたい自分の時間や心に余裕がないときですよね。
朝、仕事に遅刻しそうなときだったり、悩みやイヤなことがあってイライラしているときだったり。
時間や心に余裕がないときは、イライラが爆発する前にクールダウンするための自分なりの方法を見つけておきましょう。
例えば、深呼吸をする、数を数える、窓を開けて風に当たるなど、イライラを逃がしましょう。
子どもを怒鳴りつけたり叩いたりしてしまいそうなときは、少しの間子どもから離れるというのも1つの方法です。
「ママ疲れたから休憩させて」といってしばらく別の部屋にこもるとか。
もちろん子どもの安全は確保した上でですが。
相談窓口に連絡する
どうにもならないように思えたことでも、周囲に相談すると解決したり、話を聞いてもらうだけで気持ちがラクになることがあります。
ガイドラインにはこのようにありました。
子育ての大変さを保護者だけで抱えるのではなく、少しでも困ったことがあれば、まずは、お住まいの市区町村の子育て相談窓口にご連絡ください。
また、周囲の親族や地域住民、NPO、保育等の子育ての支援者、医療・福祉・教育現場等で子育て中の保護者に接する方は、子育て中の保護者が孤立しないようにサポートしていくことが大切です。
保護者が一人で抱え込まないように、声かけや支援を行い、市区町村や児童相談所などとも連携をして、社会全体で支えていくことが必要です。
そしてただ体制を整えるだけではなくて、きちんと適切な対応ができるスキルをつけておいてほしいな…と思います。
ずいぶん前ですが、子どものことで悩んで悩んでどうすればいいのかわからなくて市の窓口に相談したとき、電話口の人に「その程度ならよくある話だし別に心配するほどのことではないと思いますけど…」と言われたことがあります。
実際そうだとしてもこちらは悩んで追い詰められて電話しているのだから、もうちょっと言い方があるだろうし、そんな言葉で悩みが解消されるわけないのに…と思ってしまいました。
子育てをラクにする考え方(わたしの場合)
ここからはわたし自身の経験から、こう考えるようにすると子育てがいくらかラクになったというものです。
完璧な母親を目指さない
これは特に一人目の子どものときに陥りがちなのですが、完璧な母親・完璧な子育てを目指してしまうと追い詰められて苦しくなります。
わたしも、「こうあらねば」と自分で自分を苦しめていた感じです。
例えば、
- 好き嫌いのない子に育てなければならない
- おむつは早く卒業しなければならない
- 毎晩、夕食を作らなければならない
- 毎日宿題をきちんとさせなければならない
などなど。
嫌いなものはムリに食べさせようとは思わないし、末っ子はトイレトレーニングもほとんどしていません。
夕食は冷凍食品をよく使うし、たまにカップラーメンの日もあります。
宿題も、一応1回だけ声はかけるけど、「させなければならない」とは思わなくなりました。
何度も忘れていったら先生に叱られるだろうし、「親は何をしてるんだ…」と思われてるかもしれないけど、それはわたしの問題ではないと考えることにしました。
他にも、ここに書くのはちょっと恥ずかしいくらい、あらゆる面でテキトーです。
もちろん、苦も無く「きちんと」「完璧に」できる人はすばらしいし尊敬します。
でも、しんどくなってしまうようなら「ま、いっか」とテキトーに考えるのも1つのスキルではないかなと思うんです。
周囲の目を気にしすぎない
周囲からどう思われているかを気にするあまり、子どもに厳しくしてしまうことってありませんか?
- あいさつをさせなければならない
- 礼儀正しく、行儀よくさせなければならない
- みんなと一緒に行動させなければならない
要するにわたしは、「礼儀正しくて良い子ですね」って言ってもらいたかったんです。
子どもをきちんとしつけている立派な親だと思われたかったんです。
長男はわりと社交的な性格で、あいさつなどもうまくいっていたのですが、極度のはずかしがり&繊細な次男を育てていて「あいさつさせる」とか「みんなと一緒に」はムリだなとあきらめました。
何をしたって悪く思う人はいるんだし、そんな人たちの目を気にして子どもをのびのびと育てられないなんてバカらしいこと。
というか、自分が気にしすぎているだけで、人は意外と他人のことなんて見てないし何とも思ってないかもしれませんけどね。
子どもは自分とは別の1人の人間だと認識する
当たり前のことなんですが、いくら自分が生み出した子どもであっても、自分とは別の1人の人間なんですよね。
自分が「こうしてほしい」「こうさせたい」と思っても、反発して絶対にやってくれないこともある。
「なんでやらないの!?」と腹が立つこともありますが、そういうときは無意識のうちに心のどこかで「子どもは自分の一部」のような思いがあるのかな…と。
なので「子どもは自分とは別の人間なんだから自分の思い通りになんて動かせるわけがない」と意識して考えるようにしています。
もう仕方ないな、とあきらめるんです。
母親に厳しい目を向けないで
体罰禁止法のガイドラインの最後にとても大切なことが書いてあったので紹介します。
子どもが健やかに成長・発達するためには、体罰等に対する意識を一人ひとりが変えていかなくてはなりません。同時に、保護者が子育てで孤立しないように、社会全体で子育てを行っていく必要があります。
今の社会って、子育て中の母親に厳しすぎませんか?
以前、子育て支援をしているNPOの方が「まず、お母さんが周囲からやさしくされなければ子育てなんて大変なことできない」とおっしゃっていて、本当にその通りだと思いました。
▼こちらの記事に書きました。
「児童相談所~子どもの一時保護~」ウワサの保護者会の感想(2)
社会からの母親に向けられる厳しい目やバッシングはお母さんたちを委縮させ、その息苦しさからイライラが子どもへぶつけられる。。。
そういう構図があるように思います。
もっとのびのびと、おおらかに子育てできる社会になればいいのに。