批判・炎上!? のぶみさんの絵本「ママがおばけになっちゃった」の感想

ママがおばけになっちゃった 批判 感想

「ママがおばけになっちゃった」という絵本に、批判が出ていますね。
読んでみた感想と、なぜこんなに批判が出ているのか問題点を考えてみました。

「ママがおばけになっちゃった」のあらすじ

ママが交通事故にあっておばけになってしまいます。
4歳の息子かんたろうのことが気がかりで家まで見に行くと、「ママに会いたいよー」と泣いているかんたろう。
夜になると不思議なことにおばけになったママの姿が見えるようになります。
「ママもういなくなるの。一人でお風呂に入れる?夜は一人でおしっこに行くのよ。ようちえんのお迎えももう行けないわ」と話すと、かんたろうは「全部一人でなんてできないよ。ぼくどうすればいいの?ママがいなくなるなんていやだあ!」と大泣き。

寝ているおばあちゃんを起こさないようにおばけのママとかんたろうは夜のお散歩に。
「かんたろうを産んで良かった。かんたろうのことが大好き。かんたろうのママで幸せだった」と伝えます。
翌朝かんたろうは「ぼくがんばる。一人でやれるよ」とポジティブになる…という内容。

ふんわりしたタッチのかわいらしい絵です。

好き嫌いの分かれる絵本作家のぶみ氏

この絵本の作者はのぶみさんという絵本作家さん。
たびたび炎上してしまう作家さんで、子育てママたちの間でも好き嫌いが分かれる方です。

わたしはどちらかというと「好きではない」方です。

本屋さんで「ママのスマホになりたい」という絵本を見かけて反射的に「うわっ、嫌だな」と思って以来、この方の絵本には近づかないようにしています。

スマホをさわったりして、子育てに全身全霊をささげていない母親に反省を促す・・・みたいな内容ですよね。
子供の前でママがスマホをいじることは「悪」という価値観を持ってる人は案外いるようで、みんな母親をとことん追い詰めるんだな~と思います。

「ママがおばけになっちゃった」について個人的に気に入らないところ

「ママのスマホになりたい」を見かけて依頼、近づかないようにしていたのぶみさんの絵本ですが、SNSで「ママがおばけになっちゃった」が話題になっていたので試しに読んでみました。

もともと好きではなかったというのもありますが、やはり気に入らない点がたくさんありました。
絵はかわいらしいんですけどね。

死ぬことで感動を誘うのは安直

余命○ヵ月とか、配偶者の死、子供の死など。大切な人が死ぬ映画や小説は多いですよね。
そりゃ大切な人が死んでしまう話は泣けるに決まってるけど、わたしは評価しません。なんかキライなんです。
そんな安直な方法で泣かせようとしている時点でもう「力量がないのだな」と思ってしまいます。

突然母親が死んで幼い子供が残されるという設定も安直すぎて好きになれません。

あざとい

かんたろうが寝ているママにはなくそを食べさせたと白状する場面や、ママのパンツをはいてしまう場面があります。
子供は「はなくそ」とか「パンツ」とか出しておけば笑うだろう・・・と思っているのかな?

本当は「感動したい」という母親に向けて描いていながら、こういうところで「子供が笑うツボをおさえてますよ」「子供を楽しませる絵本ですよ」というあざとさを感じました。

雑、うすっぺらい

あなたを産んで良かったとか、あなたの良いところもダメなところも大好き・・・というくだりが感動ポイントみたいなのですが、セリフ多すぎ、しゃべりすぎです。
ほれ感動しろ、感動しろ、と雑な直球を次々と投げてくる感じで興ざめでした。

ここまでは、わたしが個人的にこの絵本が嫌いだと感じたポイントですが、次の1点は好き・嫌いでは済まされない問題点です。

お母さんが死んだら嫌でしょ?と子供を脅す

この絵本は、親が読んだ場合は「子供とのかけがえのない時間を大切にしなきゃな」と、子供への向き合い方を再確認できる内容なのかもしれません。

でも子供が読んだ場合は「お母さんが突然死んでいなくなったら自分はどうなってしまうの?」と恐怖を感じると思います。

のぶみ氏本人もインタビューでこのように語っています。

子どもは母親がいなくなるなんて、想像しないし、したくない。当たり前の存在だと思っているんです。そうすると、ワガママを言って暴れたり、ときには母親を蹴ったり叩いたりする子もいます。でも、それはいかんぞ、と。
(中略)
そこで「お前、ママがいなくなったらどうするんだ?」と問いかけます。とても嫌なことだけど、想像させることが、すごく大事。そうすることで子どもが、母親のことを大切にしなくちゃいけない、と気づくことができると思います。

参考 たった5分で泣く子続出の絵本『ママがおばけになっちゃった』

要するに、ママが死んだらどうするの?嫌でしょ?困るでしょ?だったらママのこと大事にしなさい。という脅しです。

脅しによって子供をコントロールするやり方です。

脅し文句が子供に与える影響

日々子育てをしていると、子供を脅して言うことをきかせるようなことをしてしまう場面は確かにあります。

特に急いでいるときなど、
「早くしないと置いていくよ」
「お片づけしないんだったら全部捨てちゃうよ」
など、何度となく言ってしまった経験がわたしにもあります。

でも、脅して言うことをきかせるやり方が良くないということは知っています。

知ってるけど、普通に言っても動いてくれなくてイライラしてついやってしまって反省・・・という感じです。

その「脅し」を悪びれもせず絵本のストーリーにしてしまったのが「ママがおばけになっちゃった」です。
脅しの中でも「お母さんが死んでしまう」というのは子供にとって最大級のインパクトです。

のぶみさん自身も、「この本は子供に対してビンタ級の威力があると思いますよ」と話しています。

参考 「ママが死んじゃう絵本」なのにママたちから大人気のわけQREATORS

 

親子関係などに関する著書をたくさん出しておられる臨床心理士の信田さよこさんは、現代ビジネスの連載「子育て中の脅し文句が子どもに与えるコワイ影響」の中でこのように書いています。

自分の体の手術の跡を入浴のたびに見せて、「ママはもうすぐ死んでしまうわ」と脅す母親もいます。

子どもにとって、母親はすべての中心であり、世界そのものであり、安心感の源なのです。母親が死んでしまうかもしれないということは、何よりも恐ろしいことなのであり、だからそれを防ぐためには、それこそ全身全霊で何でも言うことをきくようになるのです。

「素直でいい子」は、子どもの性格ではなく、親からの脅しや恐怖への対応としてつくられると思います。カウンセラーとして、ときにいい子が危ないと思うのは、このような理由からなのです。

参考 「ママ、出てくわよ」子育て中の脅し文句が子どもに与えるコワイ影響


これを子供向けの絵本でやってしまうというのはどう考えても問題があるでしょう。

現に、この絵本を読んでから夜泣き不眠などの不安症状が出ている子供がたくさんいるそうで、対象年齢を引き上げるよう署名活動が起こっています。

>>もう絵本で苦しむ子どもを出さない為に。絵本「ママがおばけになっちゃった!」の早急な対象年齢引き上げを望みます!

ママがおばけになっちゃった 書名

嫌なら自分の子には与えなければいいと思っていましたが、保育園や学校での読み聞かせでこの絵本に触れてしまう子もいるそうです。
そうなってくると、やはり人気の絵本だけに年齢制限や注意喚起が必要なのかもしれません。

じっくり良い絵本を作ってもらいたい

「ママがおばけになっちゃった」は、あまり深く考えず、手っ取り早く「大人が泣ける絵本」を「子供向けの絵本」という体裁で描いたらこうなったのかなという印象を受けました。

のぶみさんは良くも悪くも注目されている絵本作家さんなので、きっとたくさん売れるのでしょう。ハイペースで次々と絵本を出しておられるようです。

絵本の表紙案を読者に選んでもらったり、製作段階から読者層を巻き込んでファンにしていくなど、マーケティングが非常にお上手なのだとか。

もうこれだけ有名になられたのだし、絵本も良く売れているのですから、今後は子供への影響や心理学などを勉強して、本当に子供を対象としたのびのびと楽しい絵本を描いてもらいたいものです。

 

「ママがおばけになっちゃった」の感想はAmazonのレビューでも賛否両論。さまざまな意見を見ることができます。

 

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