水難事故の事例と着衣水泳を習ってきた小学校低学年の娘の話

着衣水泳 浮いて待て

わが家は近くに海水浴場や川があるため、夏はときどき子どもたちを連れて遊びに行きます。
子を持つ親は、水辺の事故については細心の注意を払っていると思います。が、それでも起きてしまうのが水難事故の怖いところ。

過去の水難事故の事例を参考に、子連れで海や川、プールに行く際に気をつけるべき点を考えてみたいと思います。

また、小学校1年生の娘が習ってきた「着衣水泳」についても紹介します。
保護者など大人が絶対に知っておくべき内容なのに、意外と知らない人も多いのではないかと思います。

わたしも娘から話を聞いて初めて知ったことがたくさんありました。

2018年の水難事故の統計

警視庁の発表によると、平成30年(2018年)に水難事故にあった人の数は全国1,529人、そのうち死亡または行方不明は692人となっています。

子どもで水難事故にあったのは193人、そのうち22人が死亡・行方不明となっています。

参考 平成30年における水難の概況(警視庁)

子供に関連した水難事故の事例

愛知県田原市の海水浴場で9歳と6歳の兄弟が溺れた。2人はすぐに救助されたが兄が亡くなった。家族で海水浴に来ていて、両親が浮き輪などの準備をしている間に2人だけで海に入り溺れたと見られている。

神奈川県小田原市の海岸で11歳女児が波にさらわれ、助けようとした母親と近くにいた男性も沖へ流された。3人は消防に救助されたが母親が死亡。

富山県の海岸で、家族で遊びに来ていた7歳男児が行方不明になった。翌日に発見されたが、その場で死亡が確認された。1人離れて遊んでいて家族が目を離した隙に姿が見えなくなったとのこと。

佐賀県唐津市の海岸で父親と小学4年生の息子が沖に流された。2人とも救助されたが、父親は心肺停止の状態。

愛知県蒲郡市の河口で4歳の男の子が溺れて意識不明の重体。現場には男の子の家族を含む25人ぐらいのグループが来ていて、複数人の子供を遊ばせていた。

琵琶湖の水泳場で、4歳男児が溺れたと母親から通報。岸から10メートルほど離れた深さ50センチの場所で発見されたが意識不明の重体。男の子は家族や知人と一緒に来ていて、岸辺で遊んでいたところ、途中で姿が見えなくなったとのこと。

埼玉県の荒川で、川遊び中に流された高校生の息子を助けようとして母親が一緒に流された。2人は100メートルほど下流でカヌーの男性に救助されたが、母親が死亡。

高知県四万十川で8歳と4歳の姉弟が川遊びをしているうち4歳の弟が流された。助けようとした父親が飛び込み溺れた。8歳の姉が近くの人に助けを求め消防が30メートル下流で父親を発見したが死亡。弟はライフジャケットを着用しておりカヌーの男性に助けられて無事だった。

琵琶湖の水泳場で6歳男児が溺れて死亡。家族らと琵琶湖を訪れていたが姿が見えなくなり、20メートル沖、水深3メートルのところに浮いているのを発見された。

松江市の海水浴場で6歳男児が溺れた。スポーツ少年団の子どもや保護者らと遊びに来ていた。保護者らが目を離したすきに溺れ、30メートルほどの沖合で発見されたが意識不明の重体。

神奈川県横須賀市のプールで3歳男児が溺れて意識不明の重体。両親、きょうだい5人と計8人で訪れ、子ども用プールで遊んでいたが、夕方帰宅しようした際に父親が男児がいないのに気づいて探したところ、隣の大人用プールで沈んでいるのを発見。

子どもの水難事故はどんな状況で起こる?

子どもの水難事故の事例をたくさん紹介しましたが、いくつか共通点があることに気がつきませんでしたか?

わたしが気になったのは次のような点です。

  • 家族と一緒にいても親が一瞬目を離したすきに溺れている
  • 大人数で遊びに来て小さな子どもが溺れている
  • 子どもを助けようとした親が死亡して、子どもが助かっている

大人と一緒にいても一瞬でいなくなる

夏休み前になると、子どもが学校から「夏休みの約束」などのお手紙をもらってきますよね。
そこには「子どもだけで川や海に行ってはいけません」と書いてあると思います。

確かに、子どもだけで近所の川で釣りなどをしていて落ちて溺れてしまうケースもあると思います。
でも、親が付き添っていても一瞬目を離したスキに溺れてしまうケースも多いんです。

親がちゃんと見ていないのが悪い!という人もいるかと思いますが、本当に、ほんの一瞬の出来事だと思います。

うちの子もプールで溺れかけたことがあります

わたしも実際に経験があります。
ホテルのプールに子ども2人を連れて行ったとき、当時5歳だった次男がいきなりプールに入って足がつかなくて溺れかけました。

そのとき私が何をしていたかというと、子どもたちと一緒にプールサイドに入ってきて、「あのチェアが空いてるな」「あっちの方が木陰になっていていいかな」「あそこでバスタオルを借りればいいのかな」などと周りを見回しているところでした。

子ども 溺れかけた

大人はまず到着してから準備や段取りをしますよね。
それから「さあ、泳ごう」となるのですが、子どもはプールや海を見てテンションがあがってしまっているので、いきなり水に入ってしまうんです。

そのときは幸い、監視員の方がすぐに気づいて笛を吹いてくれたので、次男を水から引っ張り上げることができましたが、一瞬の出来事にゾッとしました。

「子どもは静かに溺れる」といいますが、まさに静かに一瞬でプールに頭までスポンと入ってしまい、いなくなったんです。

大人がたくさんいれば、監視の目もたくさんあって誰かが気づけるように思うかもしれませんが、そこにもまた危険なワナがあるんですよね。

「誰かが見てくれているだろう」と安心して、実は誰も責任をもって見ていなかったという状況になりがちなんです。
先ほど紹介した水難事故の事例にも、たくさんの人数で遊びに来ていて子どもが溺れたというものがいくつかありましたよね。

助けようとした親が溺れて亡くなっている

もう1つ気になったのが、子どもを助けようとした親が溺れて亡くなり、子どもが助かっているケースが意外と多いということです。

普通に泳げる大人であれば、子ども1人くらい助けられると考えてしまいますが、溺れている人がパニックになってしがみついてくる力はとても強く、救助のプロであっても何も持たずに泳いで助けに行くのはとても危険なことなのだそうです。

といっても、わが子が目の前で溺れていたら飛び込んで助けに行ってしまうと思います。

ですが、先日娘からとっても大事な話を聞きました。

小学校低学年の娘が「着衣水泳」を習ってきた

小学1年生の娘が先日、着衣水泳というのを習ってきました。
その名の通り、服を着たまま泳ぐ方法で、水難事故から子供自身が自分で身を守る方法です。

水着の上に洋服を着てプールに入るらしく、持ち物として

洗濯済みの長袖の服
ズボン(半ズボンでも長ズボンでもOK)

を持たせました。

一緒にお風呂に入っていると突然、

人間のカラダの2%は空気なんやで

と言い出して、1年生の子から「2%」という言葉が出てきたことに驚きました。
%の意味、わかってるのかな…

どうやら習ってきたことを今から教えてくれるみたいです。

縦に立ってたら2%は頭になるやろ?

でも上向きにプカーっと浮いてたら2%は鼻と口になるやろ?

だから息ができるんやで

おぉ〜、なるほど!
娘の説明でも十分意味がわかります。

沖に流されてしまったときや、足がつかなくて溺れそうなときは、ジタバタもがいたりしないで仰向けでプカプカ浮いてなさい。そうすれば呼吸できるし死なないから、ということですよね。

ネットで調べてみたところ、「浮いて待て」という合言葉で広まっている、溺れたときのサバイバルスイミング法があることを知りました。

これって、大人の人もみんな知ってるものなんでしょうか?
わたしは今回娘に聞いて初めて知りました。

東日本大震災で多くの子供の命を救った「浮いて待て」とは

川や海に落ちたときや、沖まで流されてしまったとき、パニックになってジタバタ立ち泳ぎをしたり、手を上げて助けを呼ぼうとするよりも、両手を広げて仰向けにプカプカ浮いて救助を待つほうが、助かる確率がずっと高くなるそうです。
仰向けにプカプカ浮くことを「背浮き」といいます。

こちら、背浮きの方法がわかりやすく解説されている動画です。

119番通報してから救助隊が到着するまで約8分
水中でジタバタもがいていると8分も持ちませんが、背浮きでじっとしていれば8分待つのはそんなに大変なことではありません。
どんどん沖に流される恐怖はあるかもしれませんが、それでもプロの救助隊が来てくれればきっと助かるのですから、とにかく落ち着いて背浮きをして待つのです。

「浮いて待て」ということですね。

東日本大震災で津波被害にあった子どもが、背浮きで「浮いて待て」を実践して助かったという事例があり、海外でも「UITEMATE」として注目されているそうです。

仰向けになって息を思いっきり吸い込み、体の力を抜けば人間は必ず浮きます。
なぜなら、水の比重は「1」、人間は空気を吸うと「0.98」
つまり水よりも0.02軽いので、全身のうちの2%は水面から出るはずなんです。

これがさっき娘が言ってた「2%」ですね。

ポイントは

  • 体の力を抜く
  • 手を広げて大の字になる
  • あごを少し上げ、体を少し反らす
  • 大きく息をすって肺に空気をためる
  • 靴やサンダルは脱がずに履いたまま


こうすると、体が浮きやすくなります。

見つけてもらおうとして手を上げたりすると、体がしずんでしまいます。
大声を出すのも、空気を吐いてしまうので体がしずむ原因になります。

東日本大震災で「浮いて待て」を実践して助かった子は、救助の呼びかけに対して1度だけ返事をして、後は空気を吐かないようにだまっていたのだそうです。

大人は助けに行ってはいけないの?

もう1つ、娘が教えてくれたことがあります。

おぼれてるのを見つけた人は絶対に助けに行ったらダメ。人に知らせるの。

溺れてるのを見つけたら、助けに行くのではなく、まず119番通報しろということですね。

これは子供向けに教えてくれたので、絶対に自分で助けに行こうとしてはいけないのはわかりますが、子どもが流されてしまったのを見つけた親が、助けに行かずにいられるかというと、それは難しいな~という気がします。
でも、水難事故の事例でも、助けに行った親が亡くなって子どもが助かっているケースがいくつかありましたよね・・・。

うーん、これはいざというときのために心の準備をしておく必要がありそうです。

すぐ飛び込めば助けられる状況もあると思いますが、後先考えずに飛び込んではダメということですね。

このほか、調べてみたところ、溺れているのを見つけたときにやるべきことは

  • まず119番通報
  • 「浮いて待て」と声をかけ励まし続ける
  • ペットボトルなど浮具になるものを投げてあげる


ペットボトルは完全に空っぽだと狙ったところに投げにくいので、少し水を入れてから投げるのが良いそうです。

ペットボトルを利用した背浮きの方法はこちらの動画で。

 

今回、末っ子の娘が初めて「浮いて待て」を習ってきたのですが、これまでお兄ちゃんたちが着衣水泳や「浮いて待て」を習ってきたことは一度もありませんでした。
なので、わたしも娘の話を聞いて初めて知ったわけですが、これって子どもをもつ親はもちろん、子どもがいない大人でも、誰もが知っておいた方がいいことですよね。

お兄ちゃんたちにも教えてあげなければ。

この夏は、子どもたちと「背浮き」の練習をしようと思いました!

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