チュートリアル徳井さんのADHD疑惑。発達障害では?と言ったらダメなのか

法人税の申告漏れによって芸能活動の自粛を発表したチュートリアルの徳井さん。
申告漏れは「想像を絶するルーズさ」によって先延ばしした結果だということで、ADHDではないか?という声が上がっていますね。

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、他動性・衝動性・不注意などの特徴が見られる発達障害の1つで、先延ばししたり忘れたりして大変なことになるという失敗は「あるある」なのだそうです。
そのため、ADHD当事者の人たちから「わかる」「徳井さん、ADHDかも」と共感の声が出ているんです。

その一方で「素人が無責任に人のことを発達障害だと判断するのは許されない」といった意見も。

ツイッターでこの騒動を目にして、うちの子の注意散漫・不注意がひどかった頃のことを思い出しました。

発達障害の特性が見られる人について、「もしかして発達障害では?」と知らせることの是非について考えてみました。

徳井さんのADHD疑惑。議論の流れ

徳井さんのADHD疑惑について、ツイッターでの主な議論の流れはこのような感じです。

徳井さん、もしかしてADHDでは?

一般人が一部の特性だけを見て人を発達障害だと決め付けるなんてありえない!

性格のせいだけではないかもしれないから対策してあげてほしいと願っているだけ。
発達障害では?と疑うことを非難する人は、発達障害への差別や偏見を持っているのでは?

注意散漫な長男と毎日ガミガミ怒るわたし

何年も前のことですが、長男の注意散漫がひどかった時期がありました。

当時、長男は小学校の高学年だったのですが、

  • 忘れ物が多い
  • 物をすぐなくす
  • ランドセルの中が常にぐちゃぐちゃ
  • 頼まれたことをすぐにやらない。そして必ず忘れる
  • 服は脱ぎっぱなし

・・・などなど、わたしはかなり長男の行動にイライラさせられていました。

どれも些細なことかもしれません。
でも、普通は何度か注意を受けたらそれなりに気をつけてやるようになると思うのですが、あまりにも毎日のように何回も何十回も同じ失敗を繰り返すので、積もり積もって大きなストレスになってくるんです。

何回言ったらわかるの!?
昨日も言ったよね!!?
どうせ忘れるんだから今すぐやりなさい!!!

こんな調子で毎日長男に対してガミガミ怒っていました。

  • なぜこんなにぼんやりしているんだろう?
  • 叱られたら次から気をつけようとは思わないのだろうか?
  • 右から左へ聞き流してる?
  • わたしは舐められてるの・・・?

長男のことがまったく理解できなかったし、毎日イライラして怒鳴りつけてしまう自分が嫌でしんどかったです。

ある日なんとなくネットで検索してみたんです。
小学生の男の子ってこんなにひどいものだんだろうか・・・
同じようなことで困ってるお母さんいないかな・・・と。

すると、ADHDの啓発広告が目に止まりました

え?これうちの子のこと?
何これ、障害なの?

広告をクリックして夢中で読みました。

ADHDの特徴。不注意が目立つタイプの場合

当時目にした啓発広告やサイトは今回探せなかったのですが、こちらのサイトの説明がわかりやすいので紹介します。

参考 親と子のためのADHD

ADHDの主な症状は

  1. 不注意
  2. 多動性
  3. 衝動性


「不注意が目立つタイプ」と「多動性・衝動性が目立つタイプ」、「混合タイプ」に分かれるそうです。

うちの子の場合は多動は特に気にならず、とにかく「不注意」ですね。

不注意が目立つタイプの特徴としてうちの子に当てはまると思ったのは次のようなものです。

  • 忘れ物が多く物をなくしやすい
  • 興味があるものには集中しすぎてしまい、切り替えが難しい
  • ボーっとしていて話を聞いていないように見える
  • 字が乱れる
  • 片付けられない
  • 課題や活動を順序だてて行うことが難しい


こうした過度の不注意は「ワーキングメモリ」という脳の機能が十分に働いていないためだと考えられているそうです。

叱られ続けて二次障害を合併することも

知らなかった。そうだったんだ・・・
だったら本人も苦しんでいただろうに、ガミガミ怒ってしまった。
申し訳ないことをした・・・と反省しました。

と同時に、イライラしてしんどかった気持ちが解消されていくような気がしました。

ADHDの子どもは家や学校で叱られ続けるために、自尊心が低下することが多いそうです。
失敗が積み重なり自尊心がどんどん低下していくと、今度は「うつ」や「不安障害」などの二次障害を合併することもあるのだとか。

ADHDのことを知らないままだったら、わたしは間違いなくあのまま毎日長男を怒鳴りつけていたと思います。

 

こちらのサイトにはADHDの子どもをもつお母さんたちのインタビュー動画もあります。
お母さんたちの言葉をいくつか紹介しますね。

育て方のせいじゃない。生まれつきだよと言ってもらえてラクになった。救われた

もし何も治療をしていなかったら、ものすごく叱っていたと思う

わたしを困らせようとしていたのではなく、原因があったのだとわかってショックではなくホッとした

発達障害の専門機関へ相談に行き・・・

「息子はADHDかもしれない」と思ったわたしは、地域の相談窓口に電話して、早速子供の発達障害の専門機関に相談に行くことになりました。

そこでお世話になった担当者の方は本当にすばらしかったです。

まず、日常的に(わたしが)どういうことに困っているのか、息子のどういう行動にイライラしてしまうのかを、ていねいに聞いてくださいました。
1つひとつは些細なことですし、男の子ならそんなものなのかな・・・という点もあったかもしれませんが、「その程度なら心配ない」とかいうことは一切言わずに、ずっと真剣に聞いてくださいました。

困りごとをていねいに聞いてもらう。
これだけでも心がずいぶん軽くなるということを知りました。

その担当者の方は、「医師ではないのでADHDかどうかの診断はできない」としながらも、「現に困っているのであれば、ADHDの人たちが日常生活に支障が出ないように実践していることを、いくつか試してみては?」
「いくつか試す中で、息子さんにあったやり方が見つかるかもしれませんよ」と提案してくださいました。

たとえば、息子に何か指示したり頼んだりするときは

  • 続けて何個も言わずに1つずつ頼む
  • 紙に箇条書きにして貼っておく


こうしたことで、忘れずにできるようになるかもしれないと教えてもらいました。

診断が出なくても現に困っているなら対処が必要

その専門機関には何度か通い、ペーパーテストのようなものを受けたりして結局はADHDではなさそうだという結果になり終了しました。

ADHDかも?と思って何度か専門機関に通って、結局ADHDではなかったのですが、これを時間のムダだったとは思いません。

ADHDと診断されるかどうかなんて、実は大して重要ではないのでは?という気さえします。

要は、本人や家族など周囲の人が「困っているか」どうかであり、困っているならADHDと診断されなくても何らかの対処をした方がいいに決まってますし、誰も何も困っていないなら相談に行く必要もないわけです。

今回、相談に行った先の担当者の方は、「その程度ならADHDではないから心配ない」などと言って追い返したりせず、困りごとを真剣に聞いてくれた上で、日常生活で困らないための工夫を教えてくれました。

このように対応してもらったことで、あれだけ毎日イライラして悩んでいたのがウソのように気持ちが落ち着き、とてもラクになりました。
長男も、わたしに毎日ガミガミ言われなくなったのでラクになったはずです。

 

こちらのサイトに、「発達障害のつらさはグラデーション状であり、どこまでを発達障害と診断するかは医師によってバラつきがある」という説明があり、とても腑に落ちました。

参考 チュートリアル徳井さんのADHD疑惑について、芸人気質のADHD当事者として思うことを批判覚悟で書く

医師の診断にこだわる人がいるけど、医師の診断もバラつきがあるので絶対的なものではないんです。

それよりも、現に「困っていて苦しんでいる」なら、それがラクになるように対処するということが重要なのではないでしょうか。

気づいていても「ADHDでは?」と指摘したらダメ?

冒頭のチュートリアル徳井さんの話に戻りますが、医者でもない一般人が「もしかして発達障害では?」と指摘するのはそんなにダメなことなのでしょうか。

相手によっては失礼だと受け取られてしまう場合もあるかもしれませんが、わたしの場合はもっと早く知りたかったし、もしあのままADHDの可能性に気づかずに息子を叱り続けるような状態が続いていたら、誰かに「息子さん、ADHDでは?」と指摘してもらいたかったと思います。

ADHDのことを知って、ちゃんと調べて、結局は違うと判断されたけど、ものすごく楽になりましたから。

医師でもないのに「あなたはきっとADHDだ」と断定的に決め付けるのは確かに良くないでしょう。

でも、現に困っている人がいて、その人はADHDのことをまったく知らなくて、「注意力がなくすぐ忘れてしまう自分はルーズでダメな人間だ」などと自分を責めてしまったり周囲から責められているような状態であれば、ADHDっぽいな・・・と気が付いている人は「ADHDの可能性があるのでは?」と指摘してあげてもよいのではないでしょうか?

少しデリケートな問題なので、言い方が難しいですけどね。

たとえば、こんなのはどうでしょうか?

ADHDっていうのがあるらしいよ。

 

あなたが困っていることは、ADHDの特性と似ているものがあるね。

 

あなたがADHDかどうかはわからないけど、困りごとが似ているから、こういう人たちが日常生活で困らないように工夫していることを参考にして実践してみたらいいかもね。

困っていたり悩んでいる様子なら助け舟を出してあげてほしいという意味ですよ。
何も困っていない人にまで「ADHDじゃない?」なんて言うのは余計なお世話だと思われちゃいますよね。

あと、子ども本人は困っている感じだけど保護者は気づいていないかも・・・という場合。
塾や学校の先生が気づいていて、保護者に指摘するべきかどうか・・・みたいなこと、よくあるかと思います。

こういうの難しいですね。
ショックを受けたり、怒り出したりする人もいるのかな。。。

でも、子ども本人が困っているのであれば、なんとかサポートにつながるように指摘してあげてほしいなと個人的には思います。
もちろんいきなりズバッと指摘するのではなく、子どもの様子について保護者と何度も話題にしたりしてコミュニケーションをとりながら・・・ですかね?

発達障害への差別・偏見をなくすために

医者でもないのに誰かに対して「ADHDでは?」と疑うことは許されない!と非難している人は、その人自身が発達障害への差別や偏見を持っているように見受けられるという指摘がありました。

ADHDでは?と指摘されて怒り出したりするのも、発達障害に対する偏見から来るものかもしれません。

偏見って「知らない」ことから生まれるんですよね。

発達障害という名前はなんとなく聞いたことがあっても、

  • どういう特徴があるのか
  • 何に困っているのか
  • 周囲の人はどう接したらいいのか
  • 困っていることに対してどういう手助けをすればいいのか

など、知らない人が多いですよね。

わたしも息子の問題があって自分で調べたり専門機関の担当者の方に教えてもらうまでは、まったく何も知りませんでした。

文部科学省の2012年の調査によると、発達障害の可能性がある子どもの割合は6.5%。
15人に1人ですからクラスに2人くらいです。

こんなに多いなら、もっと発達障害のことが知られていてもよさそうなものですが、「あの子は発達障害を持っている」ということを言ってはいけない、知らせてはいけない・・・みたいな雰囲気があるのかもしれません。

それも偏見から来るもの、あるいは偏見から当事者を守るためのものなのでしょう。

知らないから偏見をもつ

偏見があるから触れない、隠される

ますます知る機会が減る

偏見が強まる

このループです。

 

それでも最近では、有名人が発達障害であることを自分で公表しておられたり、テレビ番組でも発達障害のことを紹介する特集が組まれていたりして、こういうのはループから抜け出すための良い取り組みだなと思います。

また、学校でも発達障害のことを知識として学ぶ機会があると良いですね。

うちの子の通う小学校では、高学年になると目の不自由な人を学校に招いて、どんなことに困っているか、どんな手助けがありがたいかなどお話しをうかがう授業があります。
発達障害についても、このような感じで子どものうちからきちんと知る機会があれば偏見はなくしていけるのではないでしょうか?

インクルーシブ教育とは

とってもステキな記事を見つけたのでご紹介します。
フィンランドのインクルーシブ教育についての記事です。

参考 ''他者を尊重する心''を育むフィンランドのインクルーシブ教育

インクルーシブ教育とは、障害の有無や国籍、性差などにかかわらず様々な子どもが一緒に学べる環境を整えた教育のこと。
特別支援学級と普通学級にわけるのではなく、誰もが望めば合理的な配慮のもと普通学級で学べるんです。

この記事によると、フィンランドの学校でも最初からうまく行ったということではないようですが、徐々に子どもたちに良い変化が現れてきたそうです。

子ども同士が教え合うようになった。
子ども同士が自然に助け合うようになった。
次第に、喧嘩が少なくなった。

記事の中で、ADHDの男の子のエピソードが出てきます。
クラスの子どもたちがボードゲームで遊んでいるところに突然入ってきて紙飛行機を投げつけ、ボード上のものをバラバラにしてしまう・・・という出来事がおきたのですが、このときの子どもたちの対応がすばらしいのです。

子どもたちはその男の子がADHDであることを理解している。
男の子もまた自分がADHDであることを理解している。

こうして「他者の違いを受け入れる心」や、「自分を尊重するのと同様に他者も尊重する心」が育っていくのですね。

 

確かにすばらしい理念だけど、日本ではインクルーシブ教育なんて無理。そんな学校ないよ・・・と思った方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

ウワサの保護者会ウワサの保護者会「校長先生 中学校を変える」の感想。型破り!校則無しの中学

公立の中学校でおこなわれているインクルーシブ教育です。

2 COMMENTS

通りすがり

根拠もないにも関わらず、あの人は発達障害と決めつけた言い方には違和感ありすぎ。
そもそも本人が、発達障害とカミングアウトしたのかよ?していないにも関わらず、決めつけた言い方は名誉毀損で告訴されても知らないよ。根拠が無いにも関わらず徳井が発達障害と言うデマ拡散は辞めなさい。

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hanako

確かに決め付けるのは良くないですね。わたしもそう思います。
あの論争をきっかけとして、発達障害の特性が見られる人について「もしかして発達障害では?」と知らせることの是非について考察したつもりだったのですが、決め付けたような印象を与えてしまっていたら申し訳ございません。

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