学校のことや子供のことで気になる点や心配なことがあるとき、学校の先生に気軽に相談できますか?
先生もお忙しいだろうから、これくらいのことでいちいち相談するもの迷惑かな・・・と遠慮してしまったり、
相談しても、たぶんどうにもならないだろうな・・・と諦めたり。
2019年9月14日放送のEテレ「ウワサの保護者会」で、ちょうどそのテーマを取り扱っていて、「なるほど」と思う部分があったので紹介します。
「先生との関係うまく行ってる?」
9月14日の放送は、「先生との関係うまく行ってる?」というテーマでした。
番組アンケートに寄せられた保護者の声や、出演していたホゴシャーズの声はこんな感じ。
- 先生に言いたいことが言えない
- 忙しそうだから、気になることがあっても連絡するのを我慢してしまう。先生に負担をかけたくない
- 気になることがあっても、相談すべきレベルかどうかわからない
- 相談しても「学校では特に問題ないから大丈夫ですよ」と言われ、それ以上相談できなかった
どれも「うん、うん、そう!そのとおり!」と激しく同意してしまいます。
保護者は結構先生に遠慮してるんですよね。
これくらいのことで手をわずらわせてはいけない・・・って思ってしまいます。
番組ゲストのパックンは些細なことでも気軽に担任の先生や校長先生に意見したり改善の提案をしているそうで、「アメリカではモンスターペアレントのことを何て言うか知ってますか?・・・ペアレントです」と言っていて思わず笑ってしまいました。
親だったら、自分の目が届かない学校で子供たちがどうやってすごしているのか関心があるし、気になることがあれば学校に伝えるのが普通でしょ?ということのようですが、実際はそんなに気軽に言えない人が多いのではないかなと思います。
保護者からの相談は迷惑?先生たちの本音は
こうした意見に対して、先生方は保護者のことをどうおもっているのか。
若手からベテランまでの先生6名が顔や名前をかくして「本音で座談会」をしていました。
職員室に電話がかかってくると、あのことかな?このことかな?と沈んだ気持ちで電話に出る
「保護者からのクレームか!?」と警戒してしまうみたいですね。
「忙しい中、保護者からの相談は無い方がいいか」という問いに対しては、
確かに忙しいが、でも一番大事なのは子供の成長のため。その部分では同じ方向を向いているので相談したいことがあるならしてもらった方がありがたい。
もし初期対応が遅れてもっと困ったことになってから対応してお互い悲しい気持ちになるなら、もっと早い段階から連携を取った方がいい
小さなステップで言ってくれたら、クレームと受け止めない。
ちょっとこんなことで悩んでいて…ならちょっとずつ一緒に対応できると思うが、ためてためて最後にバンと「実は前にもこんなことがあって先生気づいてないでしょ」という言い方だとしんどい。
問題が小さいうちから一緒に連携できたらいいなというのが理想
でも親の立場からすると、ちょっとのことで連絡できないだろうし、たまりたまって仕方なしに・・・というところはわかる
言ってもらいやすい雰囲気を作りたいとは思う
子供を中心に、パートナー、仲間みたいな感じで一緒に成長を喜べる存在であったらいいと思う
来てくれたら応えたいと思っている先生は多い。そこがやりたくて情熱をもって教師になっている人が多い。もっと小さいところからコミュニケーションできたらと思う
なるほど。
ためてためてもう限界だ!というところで相談すると、確かにクレームっぽくなりますものね。
先生も生身の人間ですから、責められるのはきついと。
問題が大きくなる前に、「ちょっと気になる」くらいの段階から相談しておく方が先生的には助かるようですね。
新年度に新しく担任の先生が決まると「気難しい先生だったらイヤだなあ」とか「ちゃんとやってくれるのかなあ」とか、構えてしまうところがありました。
でも、まずは先生を信頼してパートナーとして良い関係を築けるようにした方が、結果的に子供のためになるってことですよね。
「子供を中心にパートナーみたいな感じで」というのは、一瞬テレビだからきれいごと言ってる?という気もしましたが、その後の「情熱をもって教師になっている人が多い」という部分は確かにそうだろうなと納得しましたし、偽りのない気持ちなのだと思います。
先生に相談するタイミングが難しい
ただ、「ちょっとしたこと」を伝える場がなかなかないんですよね。
授業参観や学習発表会などで学校に行っても、担任の先生と個人的に話せる時間なんて皆無です。
個人面談が年に1回、家庭訪問が年に1回。個人的に話せる機会はそれくらいでしょうか。
そこで尾木ママが提案したのは、
先生側から「どんどん相談してくださいね」と表明すること。
しかも、「私の場合はこの時間帯を受け付けます」と電話してもよい時間もあらかじめ知らせておくと、保護者が連絡しやすい
ということでした。
一番相談しやすかった担任の先生
ちなみに、わたしは中学生と小学生、あわせて3人の子供がいますが、保育園や小学校、中学校すべてのこれまでの担任の先生のなかで、一人だけとっても相談しやすい先生がいました。
その先生はどうして相談しやすかったのかな・・・と考えてみたのですが、
子供に対しておおらかな目で見てくれる
最初の個人面談で子供の性格で気になるところを先生に伝えたとき、「お母さん、大丈夫ですよ。生きてるだけで100点満点だから」と言ってくれて笑ってしまいました。
他の先生の個人面談では、忘れ物が・・・とか、テストの点数が・・・とか、子供(や私)のできていないところをあれこれ指摘されて小さくなってしまうことも多いのですが、「生きてるだけで100点満点」と言ってくれたことで、とても気が楽になって、一気に先生に心を開けるようになったような気がします。
ときおり「その後どうですか?」と聞いてくれる
子供がかなり繊細で難しい性格で、家ではちょっと手を焼いているということを先生に伝えていたのですが、「学校では友達とも仲良くしているし大丈夫ですよ」ということでした。
でも、その後もずっと伝えたことを気にかけていてくださってたんです。
忘れ物を届けに行って先生と顔をあわせたときや、病気で欠席して先生から翌日の予定を電話で連絡してもらうときなど、「その後おうちではどんな様子ですか?」と先生の方から話をふってくれます。
なので、ごくごく自然に「今はこんな感じで・・・」と子供の変化をちょこちょこ相談することができました。
先生に相談してもムダ?
ウワサの保護者会では、保護者からこんな意見も出ました。
- 子供のことがわかってもらえない
- 伝えたいことはあるがちゃんと伝わったかどうか手応えがない
- 相談してもムダだった
- 言っても伝わらなかったら、もうこの先生には言ってもムダだなと諦めてしまう
こういう意見に対して、番組では、追手門学院小学校の多賀一郎先生がコメントしていました。
先生に相談する方法。ポイントは・・・
多賀一郎先生は、こんな本を書いておられる先生です。
多賀先生いわく、
- 感情的に伝えるのはダメ。
- 電話でも連絡帳でも最初が肝心。
- すぐ本題に入るのではなく「この前は○○してくださってありがとうございます」など感謝が先にあると先生も構えずに話が聞ける。
また、連絡帳で相談するときは、次の点に注意すると良いそうです。
- 1回下書きする
- 責める言葉は使わない
- 家族に読んでもらう
柔らかい心で話すこと。カチカチの心同士でぶつかりあっても何も解決は生まれない。
お互い人間、お互い弱いところがある、お互い欠点もあり、お互い苦しんでいる者同士が話しをしているんだという前提に立つとちょっとコミュニケーションが成立する。
確かに。「どうして○○してくれないんですか?」という感じで責めてしまうとコミュニケーションは成立しませんよね。
尾木ママのコメント
- 1回で伝わらなかったからとコミュニケーションをあきらめてはダメ
- 若い先生ほど親の要望を受け止めることができない(そして退職してしまう・・・?)
- 優しく言っても落ち込むタイプの先生もいる
- 親の方も先生を育てようというくらいの気持ちが結構大事。(←「ごめんね、こんなこと言って。」ですって)
「先生を育てる気持ちで」という部分ですが、大学を出たばかりくらいの若い先生の場合は「先生、がんばって!」という気持ちです。
だって、22~23歳なんて、自分の子供でもおかしくない年齢ですし。
逆に、自分と同じ年代の先生や年配の先生から高圧的に言われたりすると「うっ、この先生ちょっと苦手」と身構えてしまいます。
でもそれは先生側も同じかも。
保護者から高圧的に言われたら「この保護者ちょっと苦手」って思われるし、そこから子供の成長のために協力する関係を築くのは難しいですよね。
先生に相談する方法まとめ
- ためこまずにちょこちょこ相談する
- 1回で伝わらなくてもあきらめない
- 感情的に伝えない
- まずは感謝をつたえてから本題に入る
- 責める言葉は使わない
- (文章で伝えるときは)他の人に読んでもらってから
- やわらかい心で話す
「もうガマンできない!ひとこと言わせてもらおう!」じゃなくて、
「ちょっと気になるから情報共有のために伝えておこうかな」くらいの感覚で相談するのが良さそうです。