学校の先生たちの悩みを松岡修造さんが受け止め、悩みの問題点を掘り下げながら先生たちを応援していく番組「松岡修造の『聞いてください!先生も悩んでます』」
2019年12月14日(土)よる6時56分から(テレビ朝日系)
中でもネットニュースなどで話題になっていた「運動会」のくだりについて感想を書きます。
番組は「先生の悩み」でしたが、いち保護者として「保護者側の悩み」も書いてみたいと思います。
どの競技の何番目、どこで踊るかの問い合わせが多い
どの競技の何番目に走るか、ダンスはどのポジションで踊るかなど事前にお手紙を配布して伝えるようにしたが、手間がかかり大変。
たとえば
「徒競走は第○レースの第○コースを走ります」と書いてあって、この○の中に子どもが自分で数字を書くようになっています。
ダンスであれば、隊形の図がいくつか描いてあって、最初はこの隊形で次はこうなって、最後に一列になる・・・など。
これも隊形の図に、子どもが自分のポジションを色でマークするようになっています。
初めてこのお手紙をもらったときは、なんて至れり尽くせりの親切な学校なんだろうとびっくりしました。
実際、大勢の中から自分の子供を探しやすくて助かっています。
でも、これまで保護者からの個別の問い合わせが多くてこのような案内を作ることになったのかもしれませんね。
でも、直接問い合わせる人がたくさんいたら個別対応の方が大変なんでしょうね。
わが子の写真を撮るために立ち入り禁止区域にまで入ってくる
注意するが何十人も入ってきて収拾がつかない。
これはあるかもしれませんね。
入退場門のあたりも撮影している保護者が邪魔になって先生が放送で注意していること、よくあります。
こういう問題について、最近では運動会のパブリックビューイングをしている学校があると紹介されていました。
これ、わたしもツイッターで見かけたことあります。
「子どもたちも時間区切りで冷房のある教室で休憩を挟んでいたとのこと」
うん、素晴らしい小学校の画期的な運動会「体育館でのパブリックビューイングスタイル」にTwitterで称賛 保護者は子どもの学年の番に「優先観覧席」に移動 #SmartNews https://t.co/qjdhRGDRA8
— yoshi_2045 (@yoshi_2045) October 2, 2019
暑い時期の運動会だと、冷房のきいた体育館でゆっくり観戦できて快適なのだとか。
ちなみに、うちの子の小学校では、保護者席の最前列は基本的に誰も座らないスペースとしてあけておいて、自分の子の出番で写真を撮りたいときだけ一時的に座ってまたすぐ後ろに戻るという仕組みになっています。
iPadで撮影して順位をビデオ判定
ネットで物議を醸していたのは、このビデオ判定です。
・・・ということで、iPadなどでゴールの瞬間を撮影しておき、クレームがきたらビデオ判定をするのだそうです。
もしそんなクレームをつけて運動会の進行を止めている親がいたら、ちょっとひんしゅくモノだと思うんですけどね。。。
子どもも、自分の親が先生にそんなクレームつけてたらちょっと恥ずかしいんじゃないかな。
でも、このビデオ判定は教育雑誌などでやり方が紹介されていて、多くの学校で取り入れられているそうなんです。
たとえば子どもの実行委員さんたちが担当して楽しみながら動画撮影してるとかいうことなら別にいいと思うんですけど、先生が大変だと思うならここまでしなくても・・・という印象です。
運動会は必要?時間短縮の傾向
このように問題だらけの運動会。
最近では午前中で終わらせる学校が増えているそうです。
暑さ対策や、授業時間の確保のためにも。
入退場の行進をやめて最初から整列したり、騎馬戦やダンス、代表リレーをなくすなど・・・
息子も「あれマジで無駄。誰がやりたがってるの?」と。
運動会の時間短縮は大賛成です!
日本中のお母さんたちが運動会のお弁当作りで大変な思いをしていると思うので、お昼前に終わってくれたらどんなにありがたいか。
保護者にきちんと伝えるべき
番組では熊本大学教職大学院の準教授、前田康裕先生がスタジオ出演していました。
教師を志す学生さんたちを指導している大学の先生です。
運動会は保護者サービスのためにあるのではない。
保護者サービスのための運動会なら必要ない。
子どもたちが自分たちで企画したり協同してがんばったり、運動技能を高めるという行事の目的がある。
それをきちんと保護者に伝えるべき。
「運動会は保護者のためではありません。子どもたちのためなんです」と。
これはそのとおりですね。
以前テレビで紹介されていたある中学校がまさにそれを実現していました。
「運動会は子どもたちが楽しむためのもの」という目的を明確にして、繰り返し保護者に伝えることで、保護者からのクレームがなくなったそうですよ。
ウワサの保護者会「激論!運動会」の感想。運動会は誰のため?
もういっそのこと保護者をよばなくていいのでは?という意見もありました。
菊池桃子さんのお子さんの学校では生徒会が中心となって運動会を実施して、保護者は呼ばれなかったそうです。
この発言では「学校」というだけで、小学校か中学校かわからなかったけど、おそらく中学校なのかな?
一応案内のお手紙はもらうけど、保護者席は用意されていないし、平日開催なので見に行く人は少ないようです。
練習はほとんどなく、生徒会が運営して子どもたちがゆる~く楽しむ運動会です。
息子の中学校の運動会は平日開催。子供主体で楽しそう!
逆に2割もクレーマーがいるの?という感じですが、中には先生の大変さを知らず、よく考えずにただ思ったことを言ってしまっているだけという人も多いと思うんですよ。
なんとなく運動会を保護者のための「ショー」だと思ってしまっている人とか。
でもそうではなくて「子どものためのものですよ」「先生の負担が大きいのでそこまで対応できません」ときちんと説明すればわかってくれる人もたくさんいると思うんですけどね。
保護者側から運動会の悩みを言わせてもらうと・・・
この番組は「聞いてください!先生も悩んでます」というタイトルですから、先生側の悩みが紹介されているわけですが、運動会に関しては保護者側にも悩みというか、言いたいことがあります。
危険な組体操・騎馬戦をさせないで
組体操や騎馬戦の問題は番組のVTRにも少し出ていましたが、さらっとスルーされていたのでここで改めて。
危なそうだと皆でよっていく。帽子を取り合っている周りに教員がびっしり張り付いているという滑稽な光景がある。
単純に危ない。そこまで言うならやめたら?と思う。
これも保護者からぜひやってほしいと強い要望があるんでしょうか?
組体操や騎馬戦については重大な事故がたくさん起きていて、何年も前から危険性が指摘されているのに、いまだに続けている学校がありますよね。
治る程度のケガであればまだいいのですが、死亡事故や障害が残るような事故も起きています。
巨大なピラミッドや高いタワーは危険だから作ってはいけないというルールができると、今度は「人間起こし」(トラストフォール)という技を始めたり。
この技も大変危険で、2016~2018年の3年間に全国で145件の事故が発生しているそうです。
アンケートに何度も書いたが廃止してもらえないという声もツイッターでよく見かけます。
わたしも学校のアンケートに書いたことあります。
そもそも保護者の意見にかかわらず、子どもを命の危険にさらすようなことはやるべきではないと思うのですが、そのあたり先生方はどう考えているのでしょう?
親としてはとても心配で、学校がどうしても組体操を廃止しないなら自分の子だけ練習を休ませようかとも思うくらいですが、それはそれで子どもがクラスメイトから「ずるい」と責められるとかわいそうだし。。。
親はハラハラしながら大怪我をしないよう祈って待っているしかないのでしょうか。
本当に悩ましいです。
熱中症を軽視しないで
また、熱中症対策も気になっています。
運動会の練習中に熱中症で子どもたちが救急搬送されたというニュースもありましたよね。
Yahoo!JAPANの防災速報アプリをいれていると、「熱中症の危険あり 運動は原則禁止」という通知が鳴ります。
ダンスの隊形の確認で暑い中ずっとしゃがんで待っていなければならなかったとか、しんどくなって保健室に行った子が何人かいた・・・というような話を子どもたちから聞くと、親としては気が気でない。
日本スポーツ協会が出している「熱中症予防のための運動指針」というのがありますが、学校はこういうものをチェックしたりしないんでしょうか?
「運動は『原則』禁止」だから水分補給に気をつけていれば運動させてもいいと解釈している先生もいるかもしれませんが、ちがいますよ。
詳しくはこちらの記事で書きました。
熱中症の危険があるのに部活は中止にならないの? 中学校に電話した結果・・・
運動会の本番まで練習時間があまりなくて、猛暑日でも練習を中止にできない・・・といった事情があるのだろうと思いますが、だからといって指針を無視して子どもたちを危険にさらしてよいということにはなりませんし、練習できなかったらできなかったで、その競技は中止にすればよいだけでは?
競技を少なくすればそれだけ練習時間も短くて済みますから。
観客の前で子どもたちに恥をかかせないで
わたしは子どものとき、運動会が大嫌いでした。
足が遅いのに大勢の前で全力で走らされて恥をかかされるから。
毎年、運動会は休みたいと思っていました。
うちの子の小学校では、学年ごとに出場競技が決まっていて、全員が全部の競技に出なければなりません。
走るのが苦手な子も、大勢の観客の前で走らなければなりません。
クラス対抗リレーも全員で走るんですよね。
中にはとっても足が遅い子もいて、練習の時点で「この子のせいでうちのクラスは最下位だな」というのが子どもたちもわかるわけです。
以前、子どもの運動会を見に行ったとき、ある女の子がリレーで、もう他のチームはとっくに全員ゴールしているのに、先生に付き添われながら時間をかけて走っている・・・という場面があり、なんだか複雑な気持ちになりました。
その女の子が走りたいと望んだのならいいですが、「全員走らなければならない」という決まりのせいで、あれだけ長い時間、大勢の観客に注目されて走っていたとしたらどんな気持ちだったのかな・・・と。
「全員が一丸となって」みたいなことが大事だと考えられているのでしょうけど、運動会に対して
- つらいことを我慢しなければならない
- 恥をかかされる
- クラスに迷惑をかける
こんな気持ちで「運動会なんて大嫌い。休みたい」と思いながら参加している子がいることも考えてもらいたいなと思います。
走るのが得意な子は徒競走やリレーに。
苦手な子は玉入れなど、足が速くなくても楽しめる競技に。
以前ほかの番組で運動会が嫌いな子の気持ちと、全員が楽しめる運動会について紹介されていたので、こちらの記事もぜひ読んでみてください。