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【中学生の不登校】タブレット学習で出席扱いにする方法とは?

不登校 出席扱い タブレット

不登校で学校を休んでいて、家にひきこもっている場合、パソコンやタブレットなどを使った家庭学習で「出席扱い」としてもらえる措置があることを知っていますか?
どういう要件を満たせば出席扱いにしてもらえるのか、そのためにはどのようなタブレット学習教材を選べばよいのかなど、説明します。

【文部科学省】不登校生が自宅で IT 等を活用した学習を行った場合の対応

文部科学省では全国の教育委員会などに対して、令和元年10月25日に「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知を出しています。

その中に次のような一文があります。

(4)不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保
不登校児童生徒の一人一人の状況に応じて,教育支援センター,不登校特例校,フリースクールなどの民間施設,ICTを活用した学習支援など,多様な教育機会を確保する必要があること。また,夜間中学において,本人の希望を尊重した上での受入れも可能であること。
(略)また,義務教育段階の不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出席扱いについては,別記2によるものとすること。その際,不登校児童生徒の懸命の努力を学校として適切に判断すること。

自宅でICTを活用した学習活動(タブレット学習教材やオンライン学習教材)をした場合の出席扱いは「別記2」によるとしています。

「別記2」とはこちらの文書「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」です。3ページ目からです。

タブレット学習教材やオンライン学習教材を活用して自宅で学習をしている場合は、学校(校長)が指導要録上「出席扱い」にしたり、学習の成果を「評価に反映」することができるという記載がありました。

ただし、家庭学習を出席扱いとするにためには要件があります。

  1. 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること
  2. ICT(コンピュータやインターネット、遠隔教育システムなど)や郵送、FAXなどを活用した学習活動であること
  3. 訪問等による対面指導(学習支援や将来の自立支援)が定期的・継続的に行われること
  4. 計画的な学習プログラムであること
  5. 校長が対面指導や学習活動の状況等について十分に把握していること
  6. 学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
  7. 評価に反映する場合には、学習計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること

1つずつ見ていきましょう。

不登校中学生のタブレット学習を出席扱いとできる要件

要件1:保護者と学校との間に十分な連携・協力関係があること

保護者と学校との連携。これがかなり重要です。
相談もなく家庭学習した結果だけを持っていって「これで出席扱いに」と求めても、それは無理があります。

学校には出席扱いにする義務があるのではなく、学校長の判断で「出席扱いにできる」というだけです。

この制度により実際に出席扱いになった生徒数は小学生で88人、中学生で198人とかなり少数です。
「平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より)

文部科学省は「不登校児童生徒の懸命の努力を学校として適切に判断すること」としていますが、最終的に判断するのは学校。

しかも、学校側はこういう取り扱いができることをあまり知らないようです。

まずは保護者側が文部科学省の通知や、利用を検討している教材を提示しながらていねいに説明して、どういう学習方法であれば認めてもらえるのか、話し合いを重ねていく必要があります。

要件2:ICTや郵送、FAXなどの通信方法を活用した学習活動であること

出席扱いにしてもらうには、どのような家庭学習をしている必要があるのでしょうか。
たとえば次のようなものが例示されています。

  • 民間業者が提供するICT教材を活用した学習
  • パソコンで個別学習できるシステムを活用した学習
  • 教育支援センター作成のICT教材を活用した学習
  • 学校のプリントや通信教育を活用した学習
  • ICT 機器を活用し、在籍校の授業を自宅に配信して行う学習(同時双方向型授業配信やオンデマンド型授業配信)

学習内容や学習方法については、わりと幅広く認められていますね。
1つめの「民間業者が提供するICT教材を活用した学習」は、まさにタブレット学習教材のことですね。

要件3:訪問等による対面の指導が適切に行われること

これは学校側から家庭を訪問して対面指導をするということです。
文部科学省の説明では、対面指導をする人として次のような人を想定しているようです。

  • 学校の先生
  • スクールカウンセラー
  • スクールソーシャルワーカー
  • 教育支援センターの職員
  • 教育委員会等による事前の指導・研修を受けたボランティアスタッフなど

なお、学校からの対面指導に保護者側が協力しなかった場合に、「出席扱い」と判断されなかったケースがあるので注意が必要です。

要件4:計画的な学習プログラムであること

計画的な学習プログラム。
これは教材を選ぶときの1つのポイントになるかもしれません。

文部科学省は次のように説明しています。

学年や個々の学習の理解の程度に応じたものであり、在籍校の年間指導計画に準拠した形で月ごとや学期ごとなどある程度長期的な計画になっていることが望ましいと考えています。民間業者が提供する教材を活用する場合などは、あらかじめ決められている学習プログラムを活用してもかまいません。

ポイントはこのあたりですね。

  • 学年や個々の学習の理解の程度に応じたもの
  • 学校の授業の進度に準拠している
  • 月ごとや学期ごとなど長期的な計画

また、「民間業者が提供する教材を活用する場合などは、あらかじめ決められている学習プログラムを活用してもかまいません。」
とのことなので、次のように毎月配信されるタイプのタブレット学習教材でもよさそうですね。

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また、小・中・高校生向けのタブレット学習教材「すらら」は、過去に不登校生が利用していて「出席扱い」と認められた実績があるようです。

認めてもらうまでは、先生との打ち合わせや説明を重ねて、いろいろと大変だったようですが、こうして一度実績ができると、「他の学校では認められています」と言って学校の先生を説得しやすいのではないでしょうか。

なお、無料のインターネット学習プログラムを利用していた生徒について、そのプログラムの学習の狙いや内容が明確でなかったために出席扱いと判断されなかったケースもあります。
Youtubeの無料の授業動画や無料の教材サイトなどはたくさんありますが、要件4を満たさない可能性もあるので、事前に学校に確認した方が良さそうです。

要件5:校長が対面指導や学習活動の状況を十分に把握していること

「この教材を使って家庭で学習します」というだけでは不十分で、実際にどのような学習をしたのかを学校側が十分に把握している必要があるということです。
たとえば、タブレット学習教材には保護者が子供の学習状況を確認できる機能がついていますが、それを利用して、学習履歴や学習時間、確認テストの結果などを学校側に知らせることが考えられます。

要件6:学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること

これはいわゆる「ひきこもり」気味の子で、学校以外のフリースクールなども無理という場合のことだと考えられます。

 

不登校中学生の「出席扱い」は資料をそろえて学校とよく相談しよう

いずれにしても、教材の資料を取り寄せたり、実際にしばらく使ってみたりして、教材の内容や機能を学校の先生に説明する必要があるでしょう。

何度も言いますが、出席扱いにするかどうか決めるのは学校です。
これで出席扱いにしてもらえるか、ダメならどの点が不足しているかなどを確認して、学校側がOKという方法で学習を進めていく必要があります。

 

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