「もしものときの児童相談所」ウワサの保護者会を観た正直な感想

ウワサの保護者会

Eテレで2019年11月23日放送の「ウワサの保護者会」
テーマは「もしものときの児童相談所」
※再放送は11月30日(土)午後0時30分~

児童相談所というと、親にとっては「関わりたくない」「虐待のレッテルを貼られてしまう」といったイメージがありますが、決してそうではない。親子のピンチを救う役割があるのだというお話でした。

ですが・・・番組を見終わった正直な感想としては、
育児に悩んで誰かに助けてほしいと思ったときでも児童相談所には相談できそうにないな…と思ってしまいました。

とりあえず、気軽に相談できるところではないということがわかりました。

児童相談所の所長を務めた方が出演

今回、専門家として出演していたのは金沢星稜大学の教授、川並利治さん。
20年以上大阪府で福祉相談を担当し、金沢市で児童相談所の所長を務めた方です。

児童相談所というと「虐待の通告」というイメージがありますが、虐待に限らず、中学生くらいの子が深夜徘徊して困っている…など、親だけでは対処できないさまざまな相談を受けているそうです。

親本人が、「子どもの夜泣きが止まらない」「このままでは何かやってしまいそう」と助けを求めて連絡してくるケースも多いのだとか。

自分で児童相談所に電話した母親のケース

番組では、自分で児童相談所に通告したというお母さんが顔をかくして出演していました。
当時、このような状況だったそうです。

娘の子育てに悩んでいた。
本当に些細なことで娘が爆発する。
ほぼ毎日のようにスイッチが入ると泣き叫んで、なだめてもだきしめてもダメでギャーギャー泣きながらわたしの後を追いかけてきてしんどかった。
こだわりが強く泣き出すと何時間でも暴れた。

 

夫に相談したかったが深夜まで仕事で話す時間もなかった。
実家にも何度か相談したが「ひとりでがんばりなさい」と言われ、わたしがしっかりしなきゃと追い詰められてすごくしんどかった。
相談できず悩む日々が2年以上続いた。

 

あるとき自分の感情を抑えられなくなった。
「ただ静かに話したい。でもできない」
「だまってほしいのにだまってくれずに口をふさいで首を絞めてしまった」

 

助けてほしい、と自分で電話した。
誰かにちょっとだけでも子供を見てもらいたかった。

 

児童相談所に電話をすると職員がすぐに自宅へ来た。
やっとそのとき我に帰った。
こんなに小さくてかわいいのに何でわたしはひどいことをしたり傷つけてしまうのか、つらくなって泣いた。

子育てがつらいと思った経験はある

この状況は、日本中の多くの母親が共感できるのではないでしょうか。

スタジオでVTRを観ていた保護者も、自分が子育てでつらかったときのことを思い出したといって涙ぐんでおられましたし、「子育てをしていると虐待をする/しないは紙一重だと思う」という声もありました。

児童相談所の所長を務めた経験のある川並さんは、このようにおっしゃっていました。

産んだんだからがんばれと養育を強いられる社会。
そんなにがんばらなくてもいいよと。
それを強力に言えるのが児童相談所

ここまではわかります。

「誰か助けて」と思う場面はたくさんあります。
かわいいはずの我が子なのに、イライラして感情を抑えられず苦しくなるときもあります。

わたしは仕事をしており、仕事中は保育園にあずけて子どもと離れる時間があったのでまだマシな方だと思いますが、専業主婦で朝から晩まで年中無休で子どもと向き合わなければならない人は本当に大変だと思います。

実際、わたしも一人目の子の育休期間はかなりつらかったです。
半日とか2〜3時間でもいいから子供から離れて一人になる時間がほしいと思いました。
仕事をしてる方がラク。そう思えるくらい子供とずっと向き合っているのはしんどかったです。
子供はかわいくてたまらないのに。

「助けて」と言える先があるのは大切なことです。
そんなときは児童相談所に助けを求めればいいのか。。。と思いきや、

先ほどの自分で児童相談所に電話したお母さんの話の続きを観て驚きました。

「仕切り直し」と子どもを連れて行かれ2ヵ月間の一時保護

ほっとしたのも束の間。
「じゃあお母さん、仕切り直しってことで」と言いながら、パーっと子どもを連れて行かれた。

 

わたしが望んだのは一時保護で連れて行かれることではなくちょっとの間だけ距離をとらせてもらうことだった。
2~3日子供を預かってもらえると思っていたが、その日から2カ月間「一時保護」になった。

児童相談所は親の意思にかかわらず子供を一時保護する権限があるのです。

これには驚きました。
「助けてほしい」と自分で電話してきた親ですよね。
どうすれば助けになるかとか、話し合ったり希望をきくこともなく、パーっと連れて行って2ヵ月間も返してくれないなんて。

こんな一方的なことをするところに「相談」なんてできるでしょうか?

こんなことになるとわかっていたら、このお母さんもきっと児童相談所に電話できなかっただろうと思います。

子どもの様子さえ教えてもらえない

もう一人、スタジオに子どもが一時保護された経験をもつお母さんがいました。

その人の場合は、このような状況です。

中1の娘が一時保護されたきっかけは夫の言動。
「部屋を片付けろ」など、毎晩娘を怒鳴りつけ、エスカレートすると何十分も止まらない。
「片付けないならこの家から出て行け」ともみあいになることも。
「やめて」と夫に言ったがその行為は2年続いた。

 

娘は学校の連絡帳に「お父さんのいる家にもう帰りたくありません」と書いた。
翌日、学校が児童相談所に通告。そのまま一時保護された。

このケースではお子さん本人が「家に帰りたくない」と訴えたので、しばらく一時保護されるというのも理解できます。

ただ、気になったのは一時保護している間の児童相談所の保護者への対応です。

お母さんが「子供はどうですか?」と聞いてもなにも教えてくれないし、どういう風にこれから過ごしていくのか、1日の流れなどもまったく教えてくれないし、着替えを持っていくと言っても断られる。

なぜ一時保護中の子どもの様子を教えてくれないの?

番組の司会者が児童相談所の所長経験者の川並さんに
「なぜ児童相談所ははっきりと保護者に説明をしないのですか?」と質問。

そうそう、なぜ何も教えてくれないの?

元気にしているとか、落ち着いているとか、食事はしっかり食べているとか。
とにかく子どもの様子を知りたいですよね。
学校には行くのか、行かないならその間勉強はどうするのか、何か不足して困っていることはないのか…など不安でいっぱいになると思います。

「お子さんはこんな風に過ごしているから大丈夫ですよ」とか、「今はこんな状態だけどこんな風に対応していくから安心してください」とか、何か安心できる情報をもらわないと、いきなり子どもを連れていかれた親は冷静になれないでしょう。

どうして何も教えてくれないの?
何かやむをえない事情があるの?
どう答えるんだろう・・・?と興味津々で聞いていると、次のような回答でした。

可能な限りお伝えしたいところ。
ところが子供さんも一時保護所で少し元気を取り戻すと反抗的な態度が出てきたりいろんなことが出てきます。
そういうことをストレートにお母さんに伝えてしまうと「はあ、あの子はやっぱり変わりませんね、そんなこと言ってますか」といって余計に冷静になれなかったり。
決して冷たく情報を出さないわけではなく、出したいんだけどなかなか出せないという状況もある。

え…?なんかよくわからないんですけど…

みんな「ふんふん」とうなづいていましたが、この説明で理解できたんでしょうか?

子どもが元気になって反抗的な態度が出てくると、情報を出せない?
ぜんぜん意味がわからない。

意味が分からなすぎて、むしろ何か都合の悪いことを隠そうとしているの?と疑ってしまいました。
たとえば、一時保護している場所が安心して過ごせるような場所じゃなくて子どもが家に帰りたいと泣いてるんじゃないかとか。

もしそうだとしても、ちゃんと説明して「それでもお父さんに毎日怒鳴られたりもみ合いになる環境は良くないから、早く安心して家に帰れるようにするために一緒に考えていきましょう」みたいなことを言ってほしいと思うんですよね。

このお母さんも、
「せめてこれから一緒にこの先のことを考えていきましょうと一言寄り添った言葉をいただけると味方だとわかるのに…」
と話していました。

番組ではしきりに「対立しようというのではない」「親子を救う」「親自身が元気になるように」といったことが言われていましたが、だったらなおさら安心できるようきちんと説明して一緒に考えましょうと寄り添うべきだと思うんですけどね…

育児に悩んだとき児童相談所に相談できる?

自分で電話したお母さんも、学校の通告によって子どもが一時保護されたお母さんも、最初は戸惑ったものの結果的には一時保護されて良かったと思っているようでした。

最悪の事態は免れたわけですし、しばらく距離をおいて冷静になって子どものために何ができるか考えることができたそうです。

それはとっても良かったと思います。

でもねえ・・・
この事実をしってしまうと、自分が育児に行き詰って悩んだときに児童相談所には気軽に相談できないですよね。

引き離されて、2か月くらいどんなところでどんな風に過ごしているかも教えてもらえない状態でもかまわないと思えるくらい、本当に本当に切羽詰まった状態にならないと助けを求めることはできないでしょうね。

本来はもっと早い段階で気軽に相談できた方が、対応も簡単で虐待のリスクも少ないと思うのですが、どうなんでしょうね。。。

もしかしたら今回番組で紹介されたのが極端なケースで、実際にはこんな強硬な対応はそれほどないのかもしれませんが。

追記
ツイッターで記事に対してコメントをいただきました。「緊急性がなくても何でもまず一時保護の空気があった」「子育ての悩みを相談できるところでも解決できるところでもない」「相談したら数年子どもと隔離されたケースもある」などの声があり、番組で紹介されたのは決して極端なケースではないようです。

虐待の通報もしづらくなる

ツイッターでは、児童相談所の誤認保護によって子どもをなかなか返してもらえないという声もよく見かけます。

近年、痛ましい虐待事件が何件もあり、「もしかして…と思ったら児童相談所に通告してください」という呼びかけを目にすることがあります。

わたしはこれまで、もし間違っていて何もなかったならそれでいいのだから「あれ?もしかして…」と思ったときは一応通告すればよいのだなと認識していました。一瞬保護されたとしても、ちゃんと調べて虐待ではないと判断されればすぐに返してもらえるのだろうと思っていたんです。

でも、今回この事実を知って、わたしが勘違いで通告したばかりに本当は虐待などないのに何年も子どもと引き離される人がいるのかもしれないと思うと、「あれ?もしかして…」程度では通告できないと思いました。

子育てをしていると大きな声で感情的に叱ってしまったり、子どもがギャーギャー泣き止まないといったことは多くの人が経験しているでしょう。
親が叱ったりしなくても、こだわりが強くて些細なことで泣きわめいたり、兄弟げんかでドタバタ暴れる、大泣きする…といったことは普通にあります。

兄弟げんかがうるさくて「近所の人に虐待だと思われてるかも」なんてママ友と冗談で話すこともありましたが、こんな冗談を言えるのは「もし通報されても誤解が解けたら大したことにならないだろう」と思っていたから。

勘違いで通報されて、子どもと引き離されて何年も会えなくなるなんてことになったら・・・と思うとこの問題は決して他人ごとではないと感じました。

 

もちろん本当に保護しなければならないケース、親がなんと言おうと家に帰してはいけない危険なケースもあるでしょう。
でも、報道される虐待死事件では児童相談所が関わっていながら子供を虐待する親の元へ帰してしまったというものが目立ちます。

大人しい親には返さないけど対応がやっかいな親にはすぐ返す…みたいなこと?

システム的な欠陥があるのか、なにか深い闇があるのか。。。

次回も児童相談所がテーマのようです。
放送予定を見るとテーマは「児童相談所~子どもの一時保護~」
保護された子どもの声や、その後の暮らしはどう変わったのか…といった内容になるようです。

次回の放送もとっても気になります。
※次回の放送は11月30日(土)午後9時30分~
再放送は12月7日(土)午後0時30分~

▼次回放送の感想
ウワサの保護者会「児童相談所~子どもの一時保護~」ウワサの保護者会の感想(1)

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