先日、小1の娘が絵の具で絵を描き始め、うまく描けないと言ってかんしゃくを起こし大泣きしていました。
いつもなら、あれこれ言ってなだめて、それでもおさまらない場合は「じゃあ、もうやめなさい」とキレて、娘がわーんとさらに激しく泣いてそのまま泣き疲れて寝てしまう…というパターンなのですが、今回は違いました。
「子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全」という本を読んで、そのテクニックを実践してみたからです。
この本を購入したきっかけはツイッターでイシゲスズコさん(@suminotiger)がおすすめしていたから。
はーい!こちらがおすすめです!分厚いですがイラストが多く読みやすいです。
子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方 大全 https://t.co/qJCNsxeKUb
— イシゲスズコ (@suminotiger) December 2, 2019
パラパラとめくって必要そうな部分だけ読もうかなと思ったのですが、前書きにそれはやるなと買いてありました。
一気に読まず、少し読んで実践してみてから、次へ読み進めてほしいとのこと。
もっと早くこの本の存在を知りたかった!!
前書きの指示通り、じっくり時間をかけて少しずつ、実践をしながら読み進めてみようと思います。
本当は親同士で集まって定期的にワークショップを開いたりすると良いらしいのですが、そんなことができるほど親しいママ友もいないので、この本から学んだこと、実践してみた結果や感想などをここで記録していくことにします。
ケーススタディ:仕事の愚痴を友人に話したとき…
第1章で繰り返し述べられているのは「子どもを気持ちを尊重すること」「共感の大切さ」です。
『子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全』では、「あなたがもしこのような状況におかれたらどう感じますか?」と問いかけます。
上司から仕事を頼まれた。急いでいる様子だったので今日中に仕上げようと思った。
しかし、その日に限って次々と用事が入って昼食をとるヒマもないほど忙しくなり、頼まれていた仕事のことをうっかり忘れてしまった。
帰り際に上司から、できあがった仕事を見せてくれと言われてやっと思い出した。
申し訳なく思いながらも今日どれほど忙しかったのかを説明しようとしたところ…
「言い訳はたくさんだ!もういい!」と同僚たちの前で怒鳴られた。
その腹立たしい気持ちを、友人に話したとします。
そのとき、友人が次のような返答をしたらどう感じるか?という問題です。
本には、8通りの返答パターンが出ています。
さらに自分の気持ちをかく欄が設けられていました。
わたしはそれぞれ次のように書きました。
1:気持ちを否定する
「そんなに腹を立てることはない。きっと疲れているから大げさに考えてしまうんだ。ほら、笑ってごらん…」
⇒この人は何もわかってないし、わかろうともしてくれないんだな。興味がないから早くこの話を終わらせたいのかな。
2:哲学的な反応
「人生なんてそんなものさ。逆境を乗り越えることも学ばなくちゃ…」
⇒お説教なんて聞きたくない。話すんじゃなかった。
3:忠告
「どうすればいいか教えてあげようか? 明日の朝、上司に謝って昨日頼まれた仕事を終わらせるんだ。クビになりたくないと思うなら、こんなことが二度とおこらないように…」
⇒そんな正論、言われなくてもわかってるよ。愚痴を聞いてほしかっただけなのに何なの!?
4:質問する
「上司から頼まれた仕事を忘れるほどの用事って何だったの?」「忘れたら怒られると思わなかったの?」「どうして上司に事情を説明しなかったの?」
⇒なんで友人にまで責められなきゃいけないの? わたしがどれほど悪いことしたっていうの?
5:他の人をかばう
「上司の気持ちもわかるな。上司もたぶん上からのプレッシャーがあるんだろう…」
⇒いい人ぶってわかったようなこと言わないで!
6:哀れむ
「かわいそうに」「気の毒に」
⇒思いをわかってもらえたと感じる。でも少し自分がみじめな気持ちにもなる。
7:素人の心理分析
「そんなに腹を立てる本当の理由は、上司に自分の父親の姿を重ねて見ているのでは?…」
⇒余計なお世話。あなたにわたしの何がわかるの? 勝手な想像を押し付けないで。
8:共感(相手の気持ちをくみ取ろうとすること)
「それはつらい経験だね。同僚の前でそんなふうに攻撃されるなんて。」「それは我慢できないだろうね」
⇒気持ちをわかってもらえたと感じる。
自分は子どもに同じことをやっていると気付いた
ここまでケーススタディをやってみて、初めて理解できました。
泣いたり怒ったり駄々をこねたりしている子どもたちに対して、わたしはこれまで「ママは何もわかってない」と思われるような返答を何百回、何千回としてきたんです。
- 「それぐらいで泣くことないでしょ(①気持ちを否定する)」
- 「大事なものならどうしてちゃんと片付けておかなかったの?(④質問する)」
- 「〇〇君も悪気があってやったわけじゃないんだし(⑤他の人をかばう)」
自分がされるとイヤな対応を子どもたちに対してやっていて、そのことにも気が付いていなかったんです。
これはかなり衝撃的でした。
時間がないときや、こちらの気持ちに余裕がないときは、頭ごなしに強く言ってしまうこともあるけど、それ以外のときは子どもの気持ちを否定したりしていない。ちゃんと話を聞いている…と自分では思っていました。
このケーススタディによって「自分はほとんどできていない」と気付けたのは大きな収穫でした。
共感すれば子供は自分で前に進める
誰かが本当に聴いてくれて、心の内の痛みを認めてくれて、何がそんなにイヤだったのかについてもっと話すチャンスをくれたなら、わたしの気持ちは落ち着き始め、混乱もおさまるでしょう。そして自分の気持ちと自分の問題をうまく解決できるようになるはずです。
それは子どもでも同じこと。
誰かが気持ちを聴いてくれて、共感してくれたら、自分で問題解決に向けて前向きになれる。
つまり共感をもって子どもの話を聴くことが大切なのです。
でも、これがなかなか難しい。
「共感の言葉」をかける練習をする
共感の言葉は、自然には口から出てきません。私たちはほとんど、自分の気持ちを否定されて育ってきたからです。
その通りですね。
親からも、先生からも、上司からも、そして友達からも、さまざまな場面で自分の気持ちを否定されてきました。
それも悪気なく自然に。
逆にわたしも他の誰かの気持ちを悪気なく否定してきたと思います。
だからこそ、共感の言葉がスムーズに出てくるようになるよう、学び、練習しなければならないのです。
これだけ分厚いだけのことはあって、この本には演習や具体的な事例がたくさん出ています。
4コマ漫画で「まずい対応」「良い対応」の例がわかりやすく示されていたり。
具体的な事例を見ると、どのように共感の言葉をかければよいか理解しやすいです。
でも、頭で理解するだけではダメで、そのスキルを使いこなせるように実践してみないと意味がありません。
次回以降で、「共感の言葉」のかけ方や、自分の子どもに対して実践してみた感想を書きたいと思います。
感想と実践1-2『子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全』