「異常なくらいゲームに執着している」「うちの子ゲーム依存症かも」と心配になったら、一刻も早く対処が必要です。
ですが、ゲーム依存症を取り扱う病院は非常に少ないのが現状。
ここでは、ゲーム依存症・ネット依存症を取り扱っている病院を紹介します。
ゲーム依存症の治療ができる病院一覧。子供も対応してくれる?
ゲーム依存症の専門病院といえば、久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)が日本で一番有名ですね。
他にも、以下のような病院でゲーム依存症やネット依存症を取り扱っています。
基本的に「子供向け」などの記載がないため、お子さんの年齢を伝えて対応が可能かどうか確認してみることをおすすめします。
北海道
東北
東北会病院(宮城県仙台)※高校生以上
関東
大石クリニック(神奈川県横浜市) ★依存症専門病院
北陸・中部
関西
中国・四国
九州
独立行政法人国立病院機構 肥前精神医療センター(佐賀県神埼郡)
竹下粧子クリニック(大分市)
ゲーム依存症で入院治療が受けられる病院は?
ゲーム依存症で入院治療までできる病院はほとんどありません。
なお、依存症の専門病院として有名な久里浜医療センターでは、本人が同意した上で、治療上必要と認められれば入院治療も受けられます。
入院期間は6~8週間。
朝は5時半から6時に起床して毎日運動プログラムなどがあります。
相部屋で10代の中高生が多いようです。
また、長期入院ではなく短期間のキャンプという形もあります。
久里浜医療センターでは、毎年夏休みに1週間前後、また秋に2泊3日のキャンプを開催しているそうです。
自助グループや家族会も有効
依存症の専門病院に限らず、自助グループ(当事者のグループ)や家族会も非常に有効です。
それも一度参加して終わりではなく、定期的に何度も参加した方がいいです。
家族会に参加した経験
実はわたしも身内に依存症者(ゲーム依存ではありません)がいて、定期的に家族会に参加していたことがあります。
依存症の自助グループも家族会も、基本的に参加者が自分の体験や気持ちを順番に話していくスタイルで開催されます(話したくない場合はパスしてもかまいません)。
人の話に意見したり批判したりするのはNGで、ただ順番に話して行き、それを皆で静かに聞くんです。
これは依存症としての歴史が古いアルコール依存症において、昔から続けられてきた手法なのだとか。
なので、ギャンブル依存症、薬物依存症などさまざまな依存症において自助グループや家族グループが定期的に開催されています。
ゲーム依存症を扱う病院に行っても、基本的にはこのようなグループに参加して話す・聞く、というのが治療のベースになるかと思います。
わたしは家族会に参加していたわけですが、参加者の話を聞いていると、自分と似たような体験や、まさに自分が思っていたのと同じ気持ちを話す人がいて、「苦しんでいるのは自分だけじゃないんだ」と少し気が楽になることがありました。
また、「そんなにひどいことが!?」と引いてしまうような話しもたくさん出てきます。
「このまま行けば自分たちもこうなるのだな」と理解できてきますし、依存症を甘く見てはいけないことが嫌でもよくわかります。
逆に、家族がこんなふうに関わりを変えてみたらうまく行ったとか、最近は落ち着いているといった話が聞けて、将来に少し希望を持てることもあります。
家族の対応がまずいとゲーム依存症を悪化させる
依存症の治療においては、家族の関わり方も非常に重要です。
そのため、依存症を扱う病院では家族相談や家族向けの勉強会などが開かれているのが一般的です。
家族のせいで依存症になったということではないですよ。
依存症になってしまった原因は他のところにあるとしても、ゲームばかりしている姿を見て家族が小言を言ったり非難したり、ふさぎ込んで嘆いたり・・・という対応がますますゲーム依存症を進行させてしまうこともあるんです。
でも普通は小言も言いたくなるし、ゲームのせいでいろんなものを失ってしまったのなら嘆いてしまいますよね。それが普通だと思います。
ただ、その普通の対応が病気を進行させてしまうなら、注意して対応を変える必要がありますよね。
だからこそ本人が病院へ行かない場合でも、家族が「ゲーム依存症」という病気への理解を深め、本人との接し方を学んでおかないといけないんです。
ゲーム依存の自助グループや家族会一覧
タカハシクリニック(東京都大田区)
ネット依存家族相談があります。
大石クリニック(神奈川県横浜市)
家族相談があります。
周愛荒川メンタルクリニック(東京都荒川区)
ネット依存・ゲーム依存家族教室があります。
肥前精神医療センター(佐賀県神埼郡)
依存問題を持つ家族のための家族教室があります。
榎本クリニック(東京都池袋)
インターネット依存症家族支援グループIFG
ギャンブル依存症問題を考える会(東京・埼玉・新潟・大阪・岡山)
ギャンブルに限らず、相談先の少ない依存症者の家族相談会もあります。
ワンネスグループ(大阪、横浜、名古屋、奈良、沖縄)
自助グループです。
株式会社ヒューマンアルバ(神奈川県川崎市)
依存症回復支援施設です。家族会、家族勉強会があります。
通えるエリアにゲーム依存症の病院や自助グループがない場合は
ゲーム依存症を扱う病院はまだまだ少ないのが現状です。
自助グループや家族会も少なすぎて、自宅から通えるエリアにはないかもしれません。
そんなときは、アルコールやギャンブルなど他の依存症でもいいので、依存症を扱っている病院や自助グループ、家族会に行ってみることをおすすめします。
「依存症」という病気は、なにに依存するのかという依存対象が違うだけで根っこの部分は同じだと言われています。
治療法もベースは似通っています。
アルコール依存症を扱う病院は比較的多いので、まだ見つけやすいかと思います。
また、ギャンブル依存症とゲーム依存症は非常に似通った部分が多いと感じます。
ギャンブル依存症の自助グループや家族会に参加して情報収集してみるのも有効ですよ。
もしかして・・・と思うなら早急に対応を
「もしかしてゲーム依存症?」「このはまり方は異常かも・・・」という状態なのに、何もせずに静観するというのは最悪の対応です。
依存症というのは世間の人が思っているよりずっと怖い病気で、家族はずっと後悔にさいなまれることになります。
「ちょっとこれは・・・」と気になっているのであれば、早急に情報収集して対処してあげてください。
こちらは久里浜医療センターの院長である樋口進先生の本です。
どのような病気なのか、そしてこのまま行けばどうなるのかがよく理解できると思います。