ジョージ・フロイドさん暴行死事件から始まった抗議活動が世界に拡大しています。
アメリカの黒人差別問題は、日本に住むわたしたちにとっては、知っているようで実は理解できていない問題なのかなという気がします。
- 日常生活においてどれくらいナチュラルに差別がおこなわれているのか。
- 肌の色がちがうというだけで、どれだけ理不尽な扱いを受けているのか。
アメリカの映画には黒人差別の問題を扱った作品がたくさんあるので、子供と一緒に映画で学んで色々考えてみたいですね。
とはいえ、あまり残酷なものや辛すぎる内容のものは、まだ子供に見せたくないという方も多いかと思います。
アメリカの黒人差別を扱った映画の中でも、子供に見せて良かったと思った映画を紹介します。
ドリーム(2016年)
NASAを支えた知られざるヒロインたち。
実話にもとづく感動のサクセスストーリです。
あらすじ
1960年代の初め、ソ連との宇宙開発競争で遅れを取っていたアメリカは、国家の威信をかけて有人宇宙飛行計画に乗り出す。NASAのキャサリン、ドロシー、メアリーは、差別や偏見と闘いながら、宇宙飛行士ジョン・グレンの地球周回軌道飛行を成功させるため奔走する。(シネマズPLUSより)
頭脳明晰な3人の黒人女性たちの話です。
主人公キャサリンのモデルであるNASAの数学者キャサリン・ジョンソンさんはつい最近、2020年2月に亡くなりニュースになっていました。
参考
映画「ドリーム」のモデル、NASAの数学者キャサリン・ジョンソン氏が101歳で死去
抜群に頭が良く計算が早いため、NASAの重大プロジェクトの一員に抜擢されるのですが、職場にはキャサリンが使えるトイレがないのです。
女性用トイレはあるけれど「黒人女性用トイレ」が無い。
また、スキルアップして社内で昇進したくても社内規則によって必要な学歴が定められている。そしてその学歴は白人しか通えない学校を卒業しなければ得られない。
暴力シーンなどはまったくないのですが、NASAのような組織であっても日常の中にあたりまえのように差別があり、しかも差別する側(白人側)には差別している意識すらなかったのだなということがよくわかる描写が出てきます。
アメリカでは子供を連れて観に行く映画だそうです。
この映画に影響を受けて、数学や科学、コンピューターサイエンスを専攻したいという子どもたちが増えてると、この映画を勧めてくれたアメリカ人の友人から聞きました。
多くの子供達にこの作品を観てもらい、努力や勇気は自分を裏切らないと言う事を理解して貰いたいと思います。
(Amazonカスタマーレビューより)
グリーンブック(2019年)
この映画も実話にもとづくストーリーです。
2019年アカデミー賞作品賞受賞。
あらすじ
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─(Amazonより)
ニューヨーク(アメリカ北部)では黒人ピアニストとして成功をおさめ、裕福な暮らしをしているドクター・シャーリー。
あえて差別が色濃く残る南部へ演奏ツアーに出かけるのですが…
大きなお屋敷のパーティーや、有名ホテルのクリスマスコンサートのメインゲストとして招かれていながら、黒人だからという理由でトイレは庭のボロボロの小屋しか使わせてもらえない、控え室は物置き部屋。
抗議しても相手は「でも規則ですから」と、何が問題なのかわからない、そんなことを言われても…と困惑する様子が印象的でした。
黒人だからというだけで警察から目をつけられ、不当に扱われるシーンも出てきます。
ほんの少し暴力的なシーンもありますが、子供に見せたくないというほどではありませんでした。
重いテーマを扱っているけれども、運転手のトニーとドクター・シャーリーのやり取りがとても楽しく、子供と一緒にクスクス笑ったり驚いたりしながら見られる映画です。
そして見終わった後とてもあたたかい気持ちになれます。
小4の次男も「面白かった!」と気に入ったようです。
作品の前評判は知っていたが、裏切らない作品だった。アメリカにおいて人種差別の問題は長く、繰り返されるテーマだと痛感。切り口が面白い。
単なるヘイト作品ではありません。ドクターとの旅の中でトニーが変わっていく様子が巧みに描写されていてあっという間に見終わりました。最後のドロレスの言葉が秀逸です。
(Amazonカスタマーレビューより)
ヘアスプレー(2007年)
ポップなナンバーとダンスが楽しいミュージカル映画。
でも、実は人種差別の問題がテーマなんです。
あらすじ
ヘアスプレー企業が贈る、ボルチモアで最高にホットなTV番組「コーニー・コリンズ・ショー」出演を夢見る16歳のトレーシー。ダンスだってオシャレだって申し分ない彼女には、ひとつだけ問題が…。それは、彼女のBIGすぎるサイズ! でもそんなことは一向に気にせず、明るく前向きに生きるトレーシーは、TVショーのオーディションに参加。なんとレギュラーの座を射止め、番組の人気者となるが、美人でスリムなライバル母娘の罠にハマり…?!(Amazonより)
ずっと楽しく前向きな雰囲気でストーリーが進むので、安心して子供と楽しめます。
主人公のトレーシーが夢中になっているダンス番組は、月に1回「ブラックデー」という黒人ダンサーだけが出演する日があり、ほかの日は白人ダンサーしか出演できません。
番組主催のダンスパーティーでも、黒人が躍るスペースと白人が躍るスペースがロープで区切られています。
トレーシーは仲良しの黒人青年と一緒に踊りたくて誘うのですが、自分はそちら側へは入れないと断られるシーンなども出てきます。
また、ビッグサイズの体型がコンプレックスで卑屈になっているお母さん(なんとジョン・トラボルタ!)に対して、同じくビッグサイズのトレーシーはそんなことまったく気にせずハツラツと毎日を楽しんでいる様子なども描かれていて、人種だけでなく体型など容姿で人を判断することもバカげているな…と思わせてくれる映画です。
primeで毎日観ています。特に子供がどハマりしてしまい、車でも観たいとの事でDVDを購入。
英語の曲を歌える様に練習中。
キャスト、ファッション、インテリア、テンポの良いストーリー、音楽、ダンス、全てが最高です。アメリカンレトロが大好きな人はハマる筈。
なんて前向きでポジティブな映画なんだろう。何度でも見れる映画。食わず嫌いでミュージカル見なかったけど度肝抜かれた気分です。
(Amazonカスタマーレビューより)
詳しい感想はこちらで書きました。
子供に見せたい映画『ヘアスプレー』小4、小1と鑑賞