中学生の長男が夏休みの宿題の読書感想文で困っていたのでちょっと助言したら、サクッと終わらせることができたらしく感謝されました。
読書感想文って、普段あまり本を読まない子にとっては「どの本を読めばいいのか」というところからのスタートですよね。
そして、読書感想文用に選んだ本を読み終わるまで何日もかかるという…
本来なら時間がかかってでもちゃんと本を読んで読書の楽しさに目覚めてほしいところですが、今年は高校受験を控えた夏休みなので特別に裏ワザを教えてあげたんです。
中学生向け 読書感想文を書きやすい本
読書感想文を書きやすいのは「小説」です。
感動した部分や印象に残った部分を抜き出して、自分の経験に重ねたり、自分だったらどうするか・・・といった感想を書くパターンが王道ですね。
どんな本でも感想は書けるし、他にもいろんなパターンがあると思いますが、「中学生の読書感想文」として先生が期待している内容を書けて、なおかつ書きやすいものとなると、やはり小説がいいです。
中でも、次のようなジャンルの小説が書きやすいですよ。
青春系
中学生や高校生が主人公の青春系の物語は、年代が近い分、共感できるところもたくさんあって、読みやすいし感想を書きやすいはず。
家族のきずな系
家族のきずなを描いた作品も、自分に置き換えて考えやすいですよね。
考えさせられる系
社会問題をテーマにした小説なども、感想を書きやすくて良いと思います。たとえば貧困や安楽死、虐待やいじめなど。
読書感想文を書きにくい本
逆に、小説の中でもこういう本は読書感想文を書きにくいので避けた方が無難です。
推理小説
読むのはとっても楽しいんですけどね。感想は書きづらいです。自分の体験と重ねたり、ストーリーから何かを得たりできるわけではないので。
SFファンタジー
SFファンタジーも、自分の体験と重ねることが難しいので、読書感想文は書きづらいです。
大人のドロドロ恋愛系
青春小説の恋愛系なら良いのですが、大人のドロドロした恋愛小説は中学生の読書感想文としてはちょっと難しいですね。先生にも見せづらいですし。
中学生の読書感想文をサクッと簡単に終わらせる裏技的なコツ
「この本が読書感想文を書きやすいよ」とすすめられても、本を読む習慣がない子はそもそも本を読むのが大変なんですよね。
小説を1冊読むのに2~3日はつぶれてしまう感じでしょうか。読むのがつらくて途中で断念してしまう可能性もありますよね。
それは、「映画化されている小説を選ぶ」という方法です。
たくさんの小説が映画化されているので、その中から先ほど紹介した「読書感想文を書きやすいジャンルの本」を選ぶと完璧です。
本を読むのが苦手な子でも、映画を見るだけなら2時間程度で済みますよね。
ただし、映画を見ただけで読書感想文を書くのはちょっと危険です。
なぜなら、映画化するときに原作をアレンジして、少し話を変えてしまっているものもあるから。
なので、映画を観た後に一応原作の小説を簡単に確認しておきましょう。
具体的には次のような流れです。
こうすれば、取り上げようとしたポイントが映画と原作で異なる場合に気がつくことができますよね。
長男はこの方法でサクッと読書感想文の宿題を終わらせました。
夜にAmazonプライムビデオで映画を見て、翌朝読書感想文を書き始め、2時間ほどで書き終えていました。
映画化されている小説で読書感想文が書きやすい本
映画化されている小説で、読書感想文が書きやすい本をいくつか紹介します。
西の魔女が死んだ
不登校になった中学生の女の子「まい」が「西の魔女」こと母方のおばあちゃんの家でしばらく過ごす話です。おばあちゃんは「うちの家系は代々魔女の家系だ」と言い、まいも魔女の修行を始めることに。森の中の家で大好きなおばあちゃんと静かに暮らす平和な日々にちょっとしたできごとが起きて…
おばあちゃんとのやり取りを通じて、思春期の女の子の心の成長を描いています。
夜のピクニック
本屋大賞・吉川英治文学新人賞を受賞した恩田陸の人気小説。24時間かけて80㎞を歩く高校の学校行「歩行祭」の話で、高校生の友情や恋愛を描いた作品です。
映画では多部未華子さんや池松壮亮さんが出演しています。
博士の愛した数式
本屋大賞を受賞した小川洋子の人気小説。記憶が80分しか持たない天才数学者の博士と、博士のもとに派遣されたシングルマザーの家政婦、そしてその息子「ルート」の交流を描いた作品です。
君の膵臓を食べたい
主人公の「僕」がクラスメートの女子「桜良」と偶然病院で会い、桜良の余命が長くないことを知ってしまいます。そこから人付き合いの悪い「僕」が「桜良が死ぬ前にやりたいこと」に付き合っていく中で、次第に心を開いて成長していく物語です。
映画では北村匠海さんが「僕」を演じています。
わたしを離さないで
ノーベル文学賞受賞作家カズオイシグロの世界的なベストセラーです。介護人キャシーが、生まれ育った施設での生活を回想する形でストーリーが進みます。読み進めるうちに、この施設の残酷な真実が明らかに…
残酷なテーマを扱っているにもかかわらず、感情を抑えた静かなトーンで物語が進むのが印象的です。
小説は文庫本で400ページ以上と結構長いですが、カズオイシグロの小説で読書感想文を書いたとなると先生に「おっ!」と思ってもらえるかも。
きみはいい子
坪田譲治文学賞を受賞した中脇初枝さんの小説。虐待をテーマにした5つの連作短編集です。虐待はつらいテーマですが、救いも描かれているので、ただただ苦しく悲しい話というわけではありません。いろんな感情が湧き上がってくるストーリーなので、感想は書きやすいと思います。
映画では5つのうち3つの短編をつなげた群像劇となっています。小説も読みましたし映画も観ましたが、たくさんの人に観てもらいたいと思いました。
短篇集なので、どれか1つの話を選んで感想を書いてもいいですね。読む量が少なくて済みますよ。
読書感想文の基本的な構成
①本の紹介
この本を選んだ理由や簡単なあらすじを書きます。
あらすじは長く書きすぎないこと。内容をすべて紹介する必要はありません。
「○○を舞台に××の成長を描いた物語です」くらいのざっくりした紹介でもOK。
ボリュームは全体の1~2割程度。
②心に残った部分の抜き出し
感動した部分、共感した部分、なぜ?と疑問に思った部分、許せないと思った部分、衝撃を受けた部分など。
③感想・自分の経験に重ねる
抜き出した部分の感想を書きます。ここが読書感想文のメインです。
どのように感じたか、自分だったらどうするかなど、自分の経験に重ねて感想を書けるとなお良いです。
④まとめ
この本を読んで何を得たか、考えがどう変わったか、今後の自分に活かしたいことなどを書きます。
「家族とのコミュニケーションを大切にしようと思った」とか「人生の時間を大切に精一杯生きていこうと思った」とか。
全体の1割未満でOK。
②と③は繰り返してもかまいません。
心に残った部分Aとその感想、心に残った部分Bとその感想・・・というふうにつなげて、文字数を調整するといいですよ。
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