うちの次男はとっても繊細で傷つきやすく、ちょっとしたことですぐキレます。
3人育てていて明らかに次男1人だけ「とても難しい」と感じます。
次男が保育園に通っていたころ、担任の先生から言われてずっと忘れられない言葉があります。
「愛情不足」です。
「お母さん、もっといっぱい抱っこしてあげてください」と。
「要するにわたしが悪いってこと?」
「他の兄弟と差別したりしていない。同じように愛情を注いでいるつもりなのに…」
ずっと心に引っかかってモヤモヤしていたのですが、先日参加した講習会でやっと理解できました。
そして思いました。
「愛情不足」と言わないでほしい。
愛情を注いでもストンと抜けていく
参加した講習会は子どもの発達に関するもので、いわゆるキレやすい子への対処法やなぜキレるのかといったお話でした。
講師は心理判定員で、養護学校の教員をしていたこともあるという方です。
子どもがキレる要因としては主に3つ。
- 反抗期
- 不適切な養育
- 発達障害(傾向)
お話全体の詳細はここでは書きませんが、「あっ、そういうことか!!」と衝撃を受けた部分があるので紹介したいと思います。
配られた資料で、「キレる子への支援として日常的に心がけておくこと」という項目の中に、このような記載がありました。
「愛情をいっぱい注ぐ」「思い切り甘えさせる」は×(バツ)
その理由として、次のように話しておられました。
※保護者も参加している講習会なのですが、この部分は主に保育士さんや学校の先生、学童の指導員など子どもに関わる支援者に向けて話しておられました。
親からの愛情が不足しているだろうから保育士や支援員が代わりに愛情を注いでやろうとなどと思ってしまいがちだが、そうすると要求がどんどんエスカレートしていき、泥沼になる。
ほどよい距離を保ちましょう。
こういう子たちは「ざる」でもない。「枠」レベル。
いくら愛情を注いでもストンと抜けていく感じ。
ただ、枠のふちに少しはひっかかる。
だからまったく愛情を注いでも意味がないということではない。
そんな説明でした。
愛情を注ぐ側ではなく受ける側の問題かも
冒頭で、「愛情不足」と言われてショックだったと書きました。
子ども3人、自分としては分け隔てなく愛情を注いで育てているつもりなのに…
でも、ほかの子と同じように注いだ愛情が、次男の場合だけ「ざる」や「枠」のようにストンと抜けていって、その結果、本人が「不足」を感じているのだとしたら納得できます。
愛情を注ぐ側の問題ではなくて、受ける側の問題だったということです。
思い返せば、いろいろと腑に落ちるんです。
思い切り甘えさせてやろうと思って次男だけのために丸一日時間をとって次男の希望につきあったのに、最後にちょっとしたことが気に入らなくてふてくされ、最悪な気分で一日が終わったこと。
次男を喜ばせたくて要求に応えてやると、どんどん要求がエスカレートして、「そこまでは応えられない」と断ると、腹を立ててキレてしまうこと。
まさに、講師の先生が話していたとおり「要求がエスカレートしていき泥沼になる」という状態です。
これは次男が悪いという意味ではありません。
そういう特性なのだと理解しました。
この話を聞いて、これまで心に引っかかっていたモヤモヤした思いが少し解消されたような気がします。
愛情不足と言わないで
「愛情不足」という言葉を使われると、「親が子どもに愛情を十分に注いでいない」という意味に取れますよね。
だから、自分が責められているようでショックを受けてしまうんです。
でも実際は、親は愛情を注いでいるのに、子ども側がザル状態だから注いでも注いでも足りない。
この状態を「愛情不足」と言わないでほしい。
でも「愛情不足」で済ませずに、受け手である子ども側がザル状態になっている可能性があるということを、教えてほしかったな…
その情報とセットで聞いていればあんなにショックを受けなくて済んだのに。
「愛情不足」と言われると、「ああ、この人はわたしを責めているんだ。わたしが子どもに愛情を注いでいないと思ってるんだ…」とどうしても心を閉ざしてしまいます。
その状態から、子どものために協力関係を築いていくのは難しいです。
保育士さん、学校の先生、支援に関わる方にお願いです。
親に対して「愛情不足」という言葉を使わないでください。