ゲームがやめられない、注意してもこっそり隠れてゲームしている・・・
「うちの子、ゲーム依存症じゃない?」と心配な親御さんも多いことと思います。
以前からゲームは依存性があり危険だと認識している人は多かったと思いますが、2019年5月にやっと、WHO(世界保健機構)が「ゲーム障害」を国際疾病として正式に認定しました。
ゲーム依存症の診断基準やチェックリストは、WHOが定めたものの他にもいくつかあります。
「うちの子はただのゲーム好き?それともゲーム依存症?」と心配な方はぜひチェックして参考にしてみてください。
WHOの診断基準「ゲーム依存症」のチェックリスト
WHOが示したゲーム障害(ゲーム依存症)の診断基準は次のとおりです。
- ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない
- 日常生活の中で他の活動を差し置いてゲームを最優先する
- 生活に支障が出ているのにゲームを続け、またはエスカレートさせる
こうした状態が1年以上続けば、ゲーム依存症と診断される可能性があります。
症状の進行が早い場合や症状が重い場合は1年未満でも診断されます。
この診断基準はシンプルでわかりやすいですが、ざっくりしているのでもうちょっと細かいチェックリストの方が判断しやすいかもしれませんね。
他にもいくつか紹介します。
アメリカ精神医学会の診断基準「ネットゲーム依存症」のチェックリスト
こちらはアメリカ精神医学会が2011年に公表した「インターネットゲーム障害」の診断基準です。
1年の間に5項目以上あてはまる場合は「インターネットゲーム障害」と診断される可能性があります。
※原文は「インターネット」ですが、わかりやすくするために「ゲーム」に置き換えています。
- 満足を得るために、ゲームをする時間を段々長くしていかねばならないと感じていますか?
- ゲームを制限したり、時間を減らしたり、完全にやめようとしたが、うまくいかなかったことが度々ありましたか?
- ゲームの時間を短くしたり、完全にやめようとしたとき、落ち着かなかったリ、不機嫌や落ち込み、またはイライラなどを感じますか?
- 始めに意図したよりも、長い時間ゲームをしていますか?
- ゲームのために大切な人間関係、学校のことや、部活動のことを台無しにしたり、危うくするようなことがありましたか?
- ゲームへの熱中のしすぎを隠すために、家族、学校の先生やその他の人たちに嘘をついたことがありますか?
- 問題から逃げるために、または、絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込みなどといった嫌な気持ちから逃げるために、ゲームをしますか?
キンバリー博士の「ネット依存度テスト」
アメリカの心理学者キンバリー・ヤング博士が開発した「インターネット依存度テスト」です。
キンバリー博士はネット依存研究の先駆け的な存在で、1990年代にネット依存に警鐘をならす本を出版しています。
※原文は「インターネット」ですが、わかりやすくするために「ゲーム」に置き換えています。
以下の5段階で回答して、合計点で依存度を判定します。
全くない:1点 まれにある:2点
時々ある:3点 よくある:4点 いつもある:5点
- 気がつくと思っていたより、長い時間ゲームをしていることがありますか。
- ゲームの時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがありますか。
- 配偶者や友人と過ごすよりも、ゲームを選ぶことがありますか。
- ゲームで新しい仲間を作ることがありますか。
- ゲームの時間が長いと周りの人から文句を言われたことがありますか。
- ゲームの時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか。
- 他にやらなければならないことがあっても、まず先にゲームをすることがありますか。
- ゲームのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか。
- 人にゲームのことを聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがどれくらいありますか。
- 日々の生活の心配事から心をそらすためにゲームで心を静めることがありますか。
- 次にゲームをするときのことを考えている自分に気がつくことがありますか。
- ゲームの無い生活は、退屈でむなしく、つまらないものだろうと恐ろしく思うことがありますか。
- ゲームをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、大声を出したりすることがありますか。
- 睡眠時間をけずって、深夜までゲームをすることがありますか。
- ゲームをしていないときでもゲームのことばかり考えていたり、ゲームをしているところを空想したりすることがありますか。
- ゲームをしているとき「あと数分だけ」と言っている自分に気がつくことがありますか。
- ゲームをする時間を減らそうとしても、できないことがありますか。
- ゲームをしていた時間の長さを隠そうとすることがありますか。
- 誰かと外出するより、ゲームを選ぶことがありますか。
- ゲームをしていないと憂うつになったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか。
40~69点:ゲームによる問題があります。
70~100点:すぐに治療の必要があるでしょう。
韓国情報化振興院の青少年用「ネット依存症」自己評価テスト
韓国情報化振興院が作成した「Kスケール」という青少年用のネット依存自己評価テストもあります。
一応、質問項目を掲載しておきますが、合計点数の計算方法が複雑なのでちょっとわかりづらいと思います。。
※原文は「インターネット」ですが、わかりやすくするために「ゲーム」に置き換えています。
- ゲームの使用で、学校の成績や業務実績が落ちた。
- ゲームをしている間は、よりいきいきしてくる。
- ゲームができないと、どんなことが起きているのか気になってほかのことができない。
- “やめなくては”と思いながら、いつもゲームを続けてしまう。
- ゲームをしているために疲れて授業や業務時間に寝る。
- ゲームをしていて、計画したことがまともにできなかったことがある。
- ゲームをすると気分がよくなり、すぐに興奮する。
- ゲームをしているとき、思い通りにならないとイライラしてくる。
- ゲームの時間をみずから調節することができる。
- 疲れるくらいゲームをすることはない。
- ゲームができないとそわそわと落ち着かなくなり焦ってくる。
- 一度ゲームを始めると、最初に心に決めたよりも長時間ゲームをしてしまう。
- ゲームをしたとしても、計画したことはきちんとおこなう。
- ゲームができなくても、不安ではない。
- ゲームの使用を減らさなければならないといつも考えている。
- ゲームの使用で、学校の成績や業務実績が落ちた。
- ゲームをしている間は、よりいきいきしてくる。
- ゲームができないと、どんなことが起きているのか気になってほかのことができない。
- “やめなくては”と思いながら、いつもゲームを続けてしまう。
- ゲームをしているために疲れて授業や業務時間に寝る。
こちらのサイトでは自動的に計算してくれるので、試してみたい人はどうぞ。
参考
K-スケール : 青少年用 (インターネット依存自己評価スケール)久里浜医療センター
子供の方がゲーム依存症になりやすい!?
大人でもゲームにはまって抜け出せなくなる人はたくさんいます。
先日もタクシーの運転手さんが信号待ちでスマホのオセロゲームをしていて問題になりましたね。
お客さんを乗せているのに信号待ちでゲームをするなんてありえないことですが、非常識とか失礼とかそういうことではないと思うんです。
大人でもゲーム依存症の人は多いと思いますが、特に注意しなければならないのは子供です。
やはりゲーム依存症は、未成年の患者が多いのだそうです。
子供の脳はまだ発達段階にありますから、ゲームの刺激を受けやすいんです。
それに、大人なら「これ以上はまったら危険だな・・・」と自制できる人も多いですが、子供はそういうわけにはいきませんよね。
それは、親が物理的に子供のゲームを制限したり取り上げたりできるという点です。
子供の様子を見ていて「ちょっとゲームをやりすぎ・・・危険かも」と感じるなら、早めにルールを設けて制限する。それも守れないなら取り上げる、といった対処も必要だと思います。
そこまでするのはかわいそう・・・という人もいるかもしれませんが、ゲーム依存症はれっきとした精神疾患で、死にいたるケースもあることを考えれば、やむを得ないと思います。