子供のゲーム問題は悩ましいですね。
わがやでも、小5次男がおばあちゃんの家で毎日長時間ゲームをしていることが発覚してどうしたものかと頭を抱えています。
繊細な次男から完全にゲームを取り上げるのが良いこととも思えないし、かといってもう一度話し合ってルールを決めてまた破られて…というのもこちらが消耗してしまいます。
ゲーム依存症になってしまったら!?と考えると、本人にまかせて自由にさせておくこともできません。
どうすればいいの?とネットであれこれ検索したところ、おもしろい動画を見つけました。
児童精神科医の先生が、子どものゲームについて話している講演の動画です。
iPadに時間設定をしてゲームを認めていた
長男が小学生のときにゲームで大変な思いをして以来、我が家では「ゲームは無い」状態でした。
子供がゲームのルールを守らない!禁止・取り上げるのは効果ある?
ゲーム機は持ってないし、スマホゲームを子供にさせたこともない。
長男は自分のスマホを持つようになってから、きっとこっそりゲームをしていると思うけど、下の子たちはまったくゲームをしていませんでした。
でも、休校中に子供たちのためにiPadを購入したんです。
学習アプリを入れて楽しく勉強できればというのが目的だったけど、無料アプリだとゲームアプリの宣伝がたくさん出てくるのでどうしてもやりたくなってしまうんですよね。
まあ少しくらいいいか…と時間を決めてゲームを認めることにしました。
一応子供と一緒に話し合い、時間などのルールを決めてiPadのペアレンタルコントロールで時間制限をかけておきました。
【子供が使用するiPad】時間制限、利用制限、ネットの閲覧制限の設定方法
こうしておくと親がいちいち声をかけたりしなくても時間が来たら自動的に使えなくなるので、ゲームをめぐっていちいち揉めなくていい、お互い平和です。
ところが・・・
おばあちゃんの家でゲームやり放題だった
うちの子は学校が終わった後、いつもおばあちゃんの家に行って宿題をしたりおやつを食べたりと面倒を見てもらっているのですが、そこで毎日ゲームをしていることが発覚しました。
おばあちゃんの家にあるiPadです。
きちんと宿題を終わらせてから遊んでいるらしいので、目くじらを立てるようなことではないのかもしれませんが、今は学校も午前中だけなので、お昼前に帰ってきて夕方6時ごろまでと考えると結構長い時間です。
おばあちゃんには毎日子どもたちの面倒を見てもらっているので、「ゲームさせないで」とは言いにくい。
人のiPadだから時間制限の設定もできない。
放っておく?
いやいや、長時間やればやるほどゲーム依存症になりやすいと聞くし、完全に放置というわけには…
専門家の方が発信しているYoutubeの動画でもあればヒントにしたいな、と探していたところ、興味深い動画に出会いました。
【動画】子どもたちはゲームやネットで何をしてるんだろう
岐阜県瑞浪市の大湫(おおくて)病院児童精神科医の関正樹先生の講演動画です。
タイトルは「子どもたちはネットやゲームで何をしているんだろう」
「信州大学医学部付属病院子どものこころ診療部セミナー」とあったので医療従事者の方に向けたセミナーのようです。
WHOが「ゲーム障害」を国際疾病として正式に認定したため、今後精神科医のもとにゲームに関する相談が増えてくるが、ゲームのことをまったく知らなければただのお説教しかできない。
ゲームはなぜこんなに面白くて子供たちを虜にするのかを知っておく必要があるという趣旨のセミナーでした。
おそらく講演の内容まるまるなので、動画は2時間ほどあって非常に長いのですが、お話がおもしろくて飽きずに聞いていられるので、興味のある方はぜひ全部見てほしいです。
ゲームの話は36分あたりからです。
印象的だった部分を抜き出します。
ゲームは役に立たないのか?
大人は「役に立つ/役に立たない」で判断してゲームを嫌っている。
確かにゲームそのものは役に立たないけれど、居場所やコミュニケーションの場として人生の役に立つ。
避けると失うものも大きい。
ゲームやYoutubeは子どもの世界で無視できないコミュニケーションツール。
まったくゲームを知らないで子供世界を生き抜くのは結構難しいこと。
ゲームが上手だったり流行りのゲームをやっていることは学校内での立ち位置に大きく影響する。(いじめのリスクを減らせる)
ゲームを与えたら絶対にゲームをめぐる親子のバトルが始まるのだから、なるべく与えないで平和に過ごしたいと思っていましたが、それは大人の都合であって、子どもは学校で生きづらくなってしまうのですね。
子供と一緒にプレイしてみる
子供がどんなゲームをしているのか知らなければ話にならない。
可能なら一緒にプレイする。せめてYoutubeのゲーム実況を見てみること。
自分の好きなゲームのことをよく知っている人とルール作りをするのと、まったく知らない人とルール作りをするのでは大きく成功率が変わる。
そのゲームを知れば、区切りポイント(やめ時)がわかる。
一番やめづらいポイントで「そろそろやめなさい」と言ってもやめられるわけがない。
どんなゲームかまったく知らないわけではないですが、今まではチラッと見るだけで「ああ、何も学びがなさそうなゲームだな…」などと判断しているだけでした。
やるなとは言わないけれど、こういう何の役にも立たないゲームはあまり長時間やってほしくない…という感じ。
確かにこういうスタンスの人に「話し合ってルールを決めよう」と言われても、子供としては納得のいくルールになっていない可能性が高いですよね。
だからルールが守られる可能性も低くなる、ということでしょうか。
子供の好きなものに肯定的に関わる
学校や家庭で孤立感を抱えている子がネット上でのトラブルに遭遇しやすいことは事実。
子供の好きなものに肯定的に関わってあげて孤立させないことが大切。
ゲームが好きなら一緒にゲームをするのも有効。
これもなるほどと思いました。
自分はこのゲームが好き。でも親はこのゲームのことを良く思っていない…という状態では、なるべく親のいないところでゲームをやりたくなるかもしれませんね。
好きなものを否定されたり、否定まではいかなくてもあまり肯定的に関わってもらえないのは確かにつらい。
かわいそうなことをしました。。。
ゲーム以外の楽しいことを一緒に探す
ゲーム以外の楽しいことがあれば自然とゲームをする時間が減る。
だからゲーム以外の楽しいことを一緒に探しましょう‥というのはよく聞く話なのですが、では何をすればいいのか?というのが難しいんですよね。
動画内では、ゲームプレイヤーとしてのタイプがヒントになるというお話がありました。
アチーバータイプ: 装備の収集やクエスト(ミッション)の達成などを好む
エクスプローラータイプ: 新しい世界の体験や発見などを好む
ソーシャライザータイプ: ほかのプレーヤーと相互にかかわることを好む。初心者の指導や味方の支援など
キラータイプ: ほかのプレイヤーを出し抜く、勝つことを好む
やみくもに余暇活動を探して合わないものを提供しても不発に終わる。
子供がゲームプレイヤーとしてどのタイプなのか(どんなゲームが好きなのか)を観察し、余暇活動を探す際のヒントにするとよい。
また、「そもそも大人が楽しみを持っているか、何かを楽しんでいる姿を子供に見せられているか」というお話もあり、ちょっと耳がいたいな…と思いました。
その他、動画の終盤ででてくる、9歳でいじめられて不登校になった男の子の話は聞いていて胸が熱くなりました。
ゲームの世界に居場所をみつけてゲームにどっぷりハマり、やがて中学生になって美術部に自分の居場所を見つけてゲームを卒業していくというお話です。
途中でお母さんが関わり方を変えたことも影響したのだろうなという印象でした。
ゲームばかりする子どもにどう対応する?
次男が実はおばあちゃんの家でゲームやり放題だったという問題。
すっきり解決策が見えたわけではありませんが、この動画を見て少しゲームに対する考え方が変わりました。
「そんな役に立たないもの」
「どうせルールを守らなくなるだろう」
こういうスタンスで向き合うのは絶対良くないということはわかりました。
一度、次男がハマっているゲームを一緒にやってみようと思います。
まずはそこからですね。